このアーティストはサックスの可能性を押し広げているのではなかろうか - Bendik Giske


最初にMVもあるAdjust(男色満開でちょっと引いてしまった)を聴いたときは、録音した素材を編集・加工する定番の手法で作っているのかと思っていたが、後日観たライブではリアルタイムで演奏していてびっくりした。

フリージャズのように先鋭的なサウンドは緊張感過多でコアなリスナー以外は敷居が高いのだけど、このアーティストはループを基調としているため、反復による聴きやすさと催眠性が高く、ポップな雰囲気があるのだ。また、変調して膨らみのある音色が淫らなんだね。

人の声の次に芳醇で官能的な響きを持つ楽器はサックスではないだろうか? 音が歪んだときの響きがなんとも艶めかしい。

ノルウェー出身で現在ベルリン在住。アルバムは2019年にファーストアルバムを、2021、2023年にもアルバムをリリース。アンビエントやドローンの枠だけで評価されるのはもったいない。


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