見出し画像

個人の要望か組織の課題か

ケース:見積もり提出後からの急な失注
お客様がの「○○したい」と言ってくれると思わず「それ出来ます!」と言いたくなります。幸運な事に担当の方がいろいろ話をしてくれて、「あれやりたい、これやりたい。こういう事をやっていきたい。」とどんどん話が膨らみ、話も盛り上がり、トントン拍子に物事が進んでいきます。
提案書も作り、見積書も提出して後は注文書をもらうだけ。と思っていたら、なかなか返事が返ってきません。
そこで確認するとなぜか少しそっけない対応になり、それでも突き詰めると稟議書を出したら通らなかった。他にやる事がありそっちの方が優先度が高い。と突然Noを突きつけられました。

原因:やるべき事とやりたい事の認識誤り
課題を聞く事は、相手の懐に踏み込んだ質問をしたり、耳障りがよくない事を言わないといけないシーンもあります。そのため「相手がそう言っているからその通りにしよう」とついなってしまいます。それ自体は実際の営業現場ではよくある話だと思います。
担当者が社内で推進力のある人でこの人が言うと前に進む。という人と、社内では推進力がなく取引先にマウントを取りたい。という人がいて言っている事は同じでも結果が大きく変わってきます。
担当者の社内における影響力の判断がつかない時は、常にリスクケースを意識しておきましょう。

対策:この要望は貴社の現状の課題解決につながっていますでしょうか?
目の前の担当者がせっかくいろいろ話してくれたのに信じていない。というようで、やや聞きにくいかもしれないです。しかし、進まない話をずるずる引きずるのも相手の時間を奪うことになるため誠意をもってヒアリングをしましょう。

ポイント:担当者と握るべきポイント

  • 組織のミッションと追いかける指標

  • 組織の課題と担当者の要望を整理した資料

  • 決裁と承認のルートと段数

  • 過去において通らなかった時はどういう時か

  • 承認に必要な日数

  • 説得材料は何か(効果予測、他社事例)

最後に:稟議の承認ルートと決裁ポイントを把握する
誰が何を納得すれば稟議が通るのか、それは決裁を通す金額によって異なると思います。会社の規模や業態によって決裁権は異なりますが、下記のように金額と決裁の段階が複数あることが多いと思います。
・10万以内であれば担当者決裁
・100万までは課長決裁
・500万までは部長決裁
・それ以上は取締役会決裁
もちろん1万円でも社長決裁の会社もありますので、これは相手にヒアリングしないとわかりません。
決裁権者は誰で、何をクリアすれば承認が通るかは必ず押さえて提案する事を心がけましょう。自分の上司は「決裁権者に合って直接提案しろ。関係を築いてこい」とアドバイスをしてくれるでしょう。しかし、担当者に「上司に合わせて欲しい」と打診すると、それを良しとしない担当者もいます。相手のキャラクターを見極めないと相手の機嫌一つで案件が浮き沈みしてしまいますので注意が必要です。(本質的には顧客の課題を解決したいと思っていても、目の前の担当者の気分に左右されてしまう。)

相対している人が適切なキーマンかどうかは商談を進める上で重要です。しかし、キーマン出なかった時にその人を蔑ろにすると敵に回るリスクがあります。相手の中に敵を作っていい事はありません。「今は違う」だけですので、案件の終わらせ方はとても重要です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?