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完全犯罪に猫は何匹必要か?

烏賊川シリーズ
「謎解きはディナーのあとで」と同じ作者さん。

あらすじ

烏賊川市にて起きた殺人事件。家の前に大きな招き猫を飾っていた「招き寿司」社長が自宅庭のビニールハウスで殺害された。ビニールハウスの出口には家の前に飾られていた招き猫が置かれるという奇妙な現場であった。実は同じ場所で10年前にも殺人事件があり、迷宮入りしていたのだった。生前の社長から飼い猫探しを依頼された探偵と、10年前の事件を担当していた刑事が社長殺人事件の謎を追う本格ミステリー。

思わずツッコミたくなる文章

ユーモア溢れた文章で、導入パートも捜査パートも楽しく読むことが出来ました。前回西尾維新さんの本もユーモア溢れる文章と言ったのですが、西尾さんはなんか独り言が面白いタイプという感じ。こちらは読者にツッコミさせる感じの面白さで、お笑いや落語を聞いているようだと思いました。
ずっと気になってたんですけど烏賊川市って「いかがわしい」って言葉となんか関係あるんですかね?

以下ネタバレ

烏賊川シリーズ3作目を初めに読んでしまったのでそれ以前に何があったか分からないまま読んでしまったのですが、予想するに鵜飼さんがのらりくらり真面目に捜査してないようでちゃんと真相に近づく鍵は見逃さず事件を解決するのでしょう。
この探偵さんがなんとも読めない人で、お気楽というかのほほんとしてる空気感がいいですよね。こっちがやきもきしちゃうけど本人はどこ吹く風で、なんだかんだ最後は鋭い推理で解決してくれる。
探してる猫が価値の高いオスの三毛猫だって言うことは結構早い段階で分かりました!ミステリー物の展開が読めた時って嬉しくなっちゃいます。あまりに分かりやすいやつは悲しくなっちゃいますけど。しかし、招き猫の目撃証言が1回消えたのは最後まで分かりませんでした。動機とかは突然シリアスになってめちゃくちゃビビりました。なんか全編面白おかしく書いてきたのにここは大真面目じゃんって。しかしだからこそ殺人まで至った経緯がより真に迫って描かれているのだと思います。すごい説得力。
巻末に乗ってる解説?がそれな過ぎるので私が書くことが思い浮かびません。
烏賊川シリーズも読み進めていきたいと思います。

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