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日刀保たたら 2024.01

奥出雲たたらと刀剣館に行きました。日本で唯一現代でも玉鋼を製造している奥出雲町。現代まで続くたたら製鉄の歴史や特徴について学べる資料館でした。

たたら製鉄

・日刀保たたらって?

たたら製鉄で日本刀の原料となる「玉鋼」を作ってるよ。たたら製鉄は玉鋼を作る唯一の方法。砂鉄を木炭と共に三日三晩燃やして鉄を還元することで玉鋼を作るよ。現代の洋式製鉄では質より量なので玉鋼は作れないよ。木炭を使ってより低温で精錬することで、リンや硫黄を含まない純度の高い鋼を得ることができるよ。伝統的で日本独特の製鉄方法だよ。
日刀保は日本美術刀剣保存協会の略語のようです。

・玉鋼って?

たたら製鉄によって得られる純度の高い鋼で、日本刀はこの玉鋼じゃないと作れないのだ。現代の洋式製鉄で作られる鉄は鉄鋼とよばれて区別されてるよ。
鉄鋼は鉄鉱石を一気に高温処理して大量の鉄を得られるけど、リンや硫黄などの不純物を含む鉄なんだよ。この不純物が鉄を脆くさせてしまうんだ。
対して玉鋼は純度が高く、リンや硫黄、マンガンのような金属もほぼ含まれてないそう。大昔に作られた日本刀が全然錆びずに崩壊せずに残っているのは、この純度の高さのお陰らしいね。程よく炭素が含まれてるのもポイントで、刀を打つ前に鉄を折りたたむ工程で壊れないくらいになっているみたい。

・現代でも日本刀作ってるの?

武器ではなく美術品として現代でも日本刀は作刀されてるよ。
明治以降は廃刀令が出されて、日本刀を武器として使用することはほぼ無くなっていったよ。廃刀令以降も作刀は認められていて、現代では文化庁の認証を受ければ日本刀を作っていいらしいね。実は様々なコンテストがひらかれているみたい。優れた刀剣を作られる方は人間国宝に選出されるそうです。この資料館は工房があって刀匠が実演してくれることもあるそうです。

展示内容

たたら製鉄のいろいろが学べるのはもちろんなんですが、刀剣の実物やたたら製鉄で使われる道具の実物を見れるのは現地だけです。展示室の真ん中には、たたら製鉄で使う釜の実物大復元断面模型が鎮座しています。すごい迫力です。

また木炭を燃やす時に空気を送るのに用いられる吹子。現物が置かれていて、なんと実際に動かすことができます。両足で交互に空気を送る天秤ふいごはエクササイズみたいで楽しいです⚖️。天秤ふいごを動かす役職が番子と呼ばれていたそうで。交代で番子をしていたことから「代わりばんこ」の語源になったらしいですよ。

また刀剣の断面を見る実験だったり、組成の調査だったり、研究チックなコーナーもあって興味深かったです。
すぐ隣には刀匠が実際に刀を打つスペースがあって、月に何回か刀匠が実演してくれるそうです🔨

月下の笹  moonsasa
ちょっと現代的なオシャレ日本刀。武器ではなく美術として成長する中で日本刀にも現代化ってあるんだなぁと
玉鋼。よく見ると赤や青の輝きもあってカラフルで綺麗です。
けら(初見では読めない)
実際に刀匠が来て鍛治を実演してくれる日もあるらしいです!

道の駅へ寄り道

•酒蔵奥出雲交流館
•奥出雲おろちループ
•たかの
の3つの道の駅に寄りました。

高野はりんごが有名で、アップルパイやリンゴジュースがたくさん置かれています。また山奥の雪国なので「雪室」があります。自由に入ることもできるそうで、夏に訪れてみたい場所です。ちまきも買いました。

おろちループは日本最大規模の二重ループ方式の道路で、その姿は神話の国に現れたヤマタノオロチのようです。道の駅ではお茶漬けを買いました。近くにある展望台や美術館など寄ってみたかったのですが、雪国ブーツが必須なくらい雪が積もっていてそれどころではなかったです。
奥出雲おろち号というトロッコが走っていたことをこの日に知ったのですが、すでに運行終了してしまったそうで悲しい…

酒蔵奥出雲交流館では日本酒とお米を買いました。酒蔵さんが運営している道の駅で、焼酎や日本酒の直売がされているそうです。館内では日本酒のカウンター?があって試飲しながらお酒を選べるようでした。もちろん車で来たので試飲できずですが、気になった「花酵母の日本酒」を購入。

おみやげ
おろちループの道の駅。雪が深くて展望台は断念。朱色の橋が美しいです🌉


たたら製鉄が盛んだった奥出雲には、他にもたたら関係の施設が。松江藩で刀作りが任せられていた九家の家や作業場なんかが見学できるみたいです。夏になったらみにいくぞ。

自然スポットとして、近くに「鬼の舌震」という場所があります。遊歩道が整備された大渓谷らしいです。こんなん絶対楽しいじゃん。鬼にちなんだ名所もあって面白そう。

神話も刀剣も面白く、米も酒も美味い、温泉もある、素敵な奥出雲に行こう!

リンク

参考にしたサイトたち

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