【ジャパンカップ回顧】

心の底から楽しませていただきました。
私の娯楽が少なくなっている中、「1日経ってもまだ余韻に浸っていたい」と思えたのは久々だよ。自分の中での思いも込みで整理したいので綴っていきます。

まずレースはウェイトゥパリスのイヤイヤから始まりました。5分の遅延。体感10分くらい焦らされたね。
次にスタート。グローリーヴェイズがゲートに入る前からヨシオがめちゃくちゃ首振っているんですよ。カメラが切り替わってもブンブン振っているのに、スタートの瞬間だけ、スン…となってちゃんと出るんですよ。面白いのでJRA公式を一回見て欲しい。あれも経験の差の一つなのかもしれない。

これらも見所なのでピックアップしました。以下からは着順通りに各馬について。

【アーモンドアイ】

対抗評価でした。
文句無しの強さ。終わってみれば1強だったと言っても過言ではありません。全ての不安を払拭するような走りはまさに現役最強馬の証明でした。
ルメール騎手が言っていたように完成されたのはこのレースだったのかもしれません。先行して良い脚を使い続けて押し切る。強い競馬の一つの理想形と言ったところでしょうか。それを東京2400mでやるのだから見事です。
この馬がコントレイル、デアリングタクトの前に立ちはだかったように、GⅠ9勝という壁は今後現れる名馬や三冠馬の前にも立ちはだかる事でしょう。

レース内容はいつも通りの先行策でしたね。ルメール騎手曰く、前にグローリーヴェイズが来たおかげでエキサイトせずに落ち着いて走る事ができたとかなんとか。計らずも川田騎手はアシストしてしまったわけですが、末脚勝負をしては分が悪いので前に行くしかないですよね。
キセキの大逃げを捕らえる事ができるかの直線は、先に仕掛けたグローリーを並ぶ間も無く交わすとそのままゴールでした。やはり府中で抜け出したら捕らえられる人馬はいなかった。4角ですんなりと出して、直線で突き抜けるのは今までも見てきた光景ですが、これほどまでに強いのかと再認識させられました。

この馬を見てから「本当の怪物にはこれまでの常識なんて一切通用しない」という考えをずっと持っていましたが、それはこのレースにも当てはまる事でした。
個人的な話になりますが、馬券を買い始めたのは秋華賞からで、あの時は「オークスからの直行馬は勝てないジンクスがある」なんてこと言われていましたよね。でも、そんなの関係無しにぶち抜いた末脚は見事でした。もっとアーモンドアイに関する事は書きたいなと思うので、そのうち記事にしようかな。
我々の常識とJRAの記録を悉く塗り替えっていった名馬。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

【コントレイル】

私の本命でした。
やっぱり走ってくれた。という面で一安心でした。菊花賞のダメージを心配されて、馬場も最適ではない中、よく2着まで来てくれました。300m付近では「お!突き抜けるか!?」と思いましたが、やはりキツくなった面もあったのかな。
シンボリルドルフ、ディープインパクトが跳ね返された「無敗三冠馬の古馬との初戦」の壁には、この馬も例外なく跳ね返されてしまったわけですが、何も悲観することは無い。相手は現役最強馬だったのだから、負けるべき相手に負けただけと言ったところでしょう。
この馬のポテンシャルを強く感じる1戦でした。

レース内容は、いつもより後ろのポジションを取りましたね。ちょっと意外でした。アーモンドアイをマークするのかと思っていたので、折り合いに専念したのでしょうか。
3強の中で1番外を回っていたという事にはなりますが、あくまで自分の競馬に徹したと見て良い気はしました。
直線は少しだけ内に寄れてしまいましたね。福永騎手なら上手く外に出させない騎乗をするとは思っていましたが、あれは完全に寄れていた。これでデアリングタクトが内に進路を取るようになったわけですが、それは後述。
上手く立て直して一瞬の切れ味も見せましたが、やはりそれでも捕らえる事はできなかった。万全であるかはさておき、これを見るとコントレイルは「一瞬のキレを使った後に高水準のスピードを持続することができる馬」なのかもしれないと思いました。
一瞬だけキレを使う馬は「おっ!?」と思わせてから後続に抜かれてしまうことが多いのですが、この馬はその後も持続したスピードで追いかけるor突き放すことができるんじゃないかなと。でなければ、アーモンドアイには詰め寄れない。
もう少し前なら…と思う事もありますが、前に付けたからと言って今回同様の上がりが使えるとは限りませんからね。この着差は現時点での力量差と見ます。

この馬に関しては、きっとまだまだ強い姿を見せてくれると思っています。今回の本命を貴方にして正解でした。ありがとうございました。

【デアリングタクト】

私の評価は連下でした。
正直、他の2頭と比べた時に崩れるならこの馬かもしれないと思っていました。いくらローテと斤量利を推されても、この相手に対して脚質と枠がどうしてもプラスに働くとは思えなかった。でも、そんなこと関係なかったです。ごめんなさい。
最後の最後にハナ差で来たのは無敗の三冠牝馬としての意地なんだろう、と思える結果でした。

レース内容は、いつもよりある程度のポジションを取りに行きましたね。これに関しては正解だと思う。4角7番手から34.4の上がりを使える事ができたのだから、もっとスムーズに行っていればコントレイルに先着もあったかもですね。
コントレイルが接触したわけではありませんが、ロスとしては大きかったかな。松山騎手は苦しくなって内にモタれたと言っていて、その通り体幹がブレたのか。または、デアリングタクトも牝馬ですし、牡馬に勢いよく寄られてビックリしたか。あくまで憶測とたらればの話、もうデアリングタクト本人しか分からない事なのでこれ以上は言及しません。
まあ、でも一緒に伸びてきてアーモンドアイを猛追する……というシーンはちょっと見たかったかも。

今回、最も収穫があったのはこの人馬なんじゃないかな。
松山騎手がポジションを取っていつもより早く仕掛けたみたいで、終始チャレンジャーという精神が伺えますね。こんな大舞台で勝負に行く、もうこれに関してはデアリングタクトを信じた仕掛けと言って差し支え無いでしょう。さらに言えば、それに応えるように最後まで足を伸ばしたデアリングタクトへの称賛もしたいです。
様々な課題も見つかったとは思いますが、これは次走への糧となるはず。三冠牝馬のバトンは受け継がれたことでしょう。お疲れ様です。ありがとうございました。

【カレンブーケドール】

どんな時だって走る。相手に負けないように走る。それは今回も同じで2頭の後輩の間にいながら強く伸びてきました。
今回は道中7~8番手で競馬を進めていましたね。直線に入ったあたりから津村騎手の手が動いていたので、恐らくその辺りでアーモンドアイより前に行く作戦だったのかな。いつの間に外に出していたんだろうって感じもしました。
上がり4位の34.8でコントレイル、デアリングタクトとはタイム差なしの決着は十分な結果でしょう。
この馬もまたアーモンドアイから国枝厩舎の牝馬1番手のバトンを継いだはず。由来である勝利の大輪はまだですが、いずれ花開くことを願っています。応援しています。


【グローリーヴェイズ】

私の単穴評価。いや、あると思ったよ。
よくやってくれました。早仕掛けからアーモンドアイを突き放そうとした時の脚、150mでまた少し伸びたその姿はかっこ良かったです。川田騎手共々、勝負に行った姿勢が凄く良かった。
悔やむ点はやはり枠だったか。もしかしたら最も枠に泣いた馬かもしれない。先行するなら真ん中が欲しかったよね。それでもよく走ってくれた。
この舞台で後続に3馬身付けて上位争いに加わったのは紛れもなく強い証拠。馬自身も今がかなり充実している雰囲気ありますよね。有馬はパスするか分かりませんけど、来年の春天では抑えたくなってしまいます。

いろんな予想見たけどみんな揃ってグローリーヴェイズ買っていて笑ったね。

【ワールドプレミア】

3馬身離されて6着。切れ味こそなかったものの、ジリジリと伸びてミッキースワローの末脚を凌いでいましたね。着順より内容ということで今回はそういうところに着目していた方が良いかな。
1年ぶりの競馬ですからね。武豊騎手も思い通りの競馬ができたとコメントしているので良し。有馬でも買います。

って思ったけど、本当に有馬出る??

【キセキ】

よくやってくれました。ありがとう。ちょっと感動した。
「そうだよ、勝つならこれしかないもんね!一か八かの賭けだ!」って思ったら掛かっていたんかーいwwwww
実際のところ浜中騎手は59秒台くらいで抑えて逃げるつもりだったんでしょうね。1コーナーから馬が行ってしまったらしいのでしゃーない。だってキセキだもん。
でも、面白かったよ。20馬身って聞いた時は、ちょっとあるかもしれないって思っちゃいました。結構逃げ粘るタイプだったもんね。各有力馬の不安要素が全て悪い方になってしまった時、届かない可能性ってのは考えた。
最後は差されてしまったけど頑張った。本当にエンターテイメントだよ。この逃げも含めてジャパンカップに競馬の面白さが詰め込まれていたように感じました。

【終わりに】

アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトのような3頭の三冠馬が一堂に会するなんて、今後見られることは無いし、もちろんワンツースリーだって起きないと思う。
これは私の自分勝手な意見だし、読んでいる人は「一角をグローリーヴェイズが崩すだろうとか期待しておいて何言ってんの?」ってなると思う。でも、言わせて欲しい。

世代を担う三冠馬という格を考えると、負ける相手は他の三冠馬2頭以外にあってはならなかったと思うんです。そういう意味では最良の結果になったんじゃないかな。

出来すぎだと言われようが、これが現実なんだ。
これが第40回ジャパンカップの結果なんだよ。本当に最高のレースだった。

もうね、燃え尽きたよ。今年の主役が集まって1番を決める。それが終わったんだから有馬記念が終わった後みたいな気持ちです。完全に年末モード。
割と本気で有馬までは見学でも良い感じ。

以下は反省会

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自信あった。

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なんかワールドプレミア応援したくなって2列目入ってきた。ガミ。

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勝負に行けない私の度胸の無さで馬連にしました。

なお、トリガミ分は京阪杯に使ってJRAにきっちり回収されました。対戦ありがとうございました。


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