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オンデュリンの施工方法について

オンデュリンの屋根材を使った感想をまとめてみました。
基本的な施工方法は公式のYouTube動画をご覧ください。
製品スペックはオンデュリン公式にありますのでご参照ください。
ここでは私が動画では気付けなかった3つの注意点について解説します。

3つの注意点

  1. 意外と破れる

  2. 意外と幅が広がる

  3. 一人で施工する場合は工夫が必要

上記3つが実際に施工して感じた注意点です。それぞれ解説していきます。

1.意外と破れる
持ってみた時点での感想は意外と固く重いという印象でした。
1度に持つのは2枚までとしたほうがいいと思います。
ただ、波の方向には結構曲がります。他の波板と同じ感じで曲がりますので、運ぶ時に曲がりすぎるようであれば1枚までとしたほうがいいでしょう。

上からゆっくりと全体に乗る分には大して形状に変化はありませんが、
一部分に力が加わると欠けたり破れたりしますので扱いには注意が必要です。特に注意したいのは切り終わる時です。

◆切り終わる時(ノコギリ等で切る場合)
切断部の下は空間が空いていると思いますが、切り落とす側の下にもしっかりと受けを置いてください。
木材を切る時も、切り落とす側の材が大きいと切り終わる直前に材が割けることがありますよね。
つまり、台が2つ必要ということになります。カッターで切る場合は全体が乗る程度の広い台なら1つでもいいと思います。

2.意外と幅が広がる
主に施工時の注意点になると思いますが、ビス打ちをする時にどうしても上に乗る場合が出てくると思います。
先述した通り、波方向へはそこそこ柔軟に曲がります。なので山部分を踏むと潰れるのですが、一定以上潰すと割れると思います。
この対処法として、踏む山の左右にビス打ちをすることで、左右に伸びなくなるので山が潰れにくくなります。
なので早くビス打ちをしたくなるのですが、ここで大きな注意点があります。
端から順にビス打ちを完了させると、山が潰れて全体的に横に広がっていくことです。

こちらは端材になりますが、10山ある状態です。

オンデュリンクラシックシートの端材
右端の位置を桟木に墨付け
左端の位置を桟木に墨付け

これを右端からビス打ちしたとします。

実験ではクランプを使いましたが本来はビス打ちをすることで山が潰れていきます。
本来はこういったキャップ付きのビスを打ち込みます
打ち込みが甘いとキャップが空転しますので、防水の観点からキャップが回らなくなるまで打ち込む必要があると思いますので、自ずと山が潰れるというわけです

3山ビス打ちした時点で両端の位置がどうなっているか確認しました。

右端は1番山が潰れやすく、3mm程伸びます
左端は3山分ビス打ちをして3mm程伸びました
1山1mm伸びるとすると、10山全て打つと10mm伸びる可能性があります
横に4枚のクラシックシートを使ったとすると、4cmの伸びが発生する可能性があるということです(実際は重ね貼りするのでそこまでは伸びないと思います)

:山が多少潰れたり横に伸びる事自体は問題ではないと思います。
特に軒部分は全ての山をビス打ちしましょうと案内されているので端からビス打ちをしたくなるでしょう。なので、やはり左右にビス打ちをして全体的に広がらないように対策をすることが重要と思いますが、ここでポイントなのは、横方向への伸びを抑制するだけならビスは最後まで打ち込まなくてもいいということです。
高所作業ですし、不安定な波板の上での作業なのでビス打ちは順々に完了したくなりますが、施工ミスを防ぐためには落ち着いて十分な作業時間を確保しておきましょう。ただし、防水の観点からビス打ちは最後は完了させましょう

そもそも、横に広がると何がよくないのかというと、想定より横にはみ出ることと、扇状に広がる可能性があるということです。横にはみ出るのは山が横に伸びることが原因ですが、オンデュリンは波板の形状なのでケラバ部分を折って納めたい時に、横に伸びることで山の位置が変わってしまってうまく折れなくなる可能性があります。

そのためにも、仮置きをした時点でビスを仮打ちして横への伸びを抑制したほうがいいと思います。

ビスを打つ順番の参考図
同じ数字はどこからでもいいです

まず両端①②を仮打ちします。そうすることで全体の広がりを抑制できます。
次に重ね代の山③を仮打ちしましょう。そうすることで重ね代の山位置がずれることを防げます。
後は順々に打っていけば仮置きの状態から大きく伸びることは無いと思います。

次に、扇状に広がる可能性ですが、軒部分を端から順にビス打ちをした場合、軒部分は横に伸びて、棟部分は伸びていない可能性があります。

扇状に広がってしまった図

この状態で次の波板を取り付けていくと、最終的にケラバ部が平行ではなくなってしまう可能性が出てきます。

ケラバ側が平行にならない可能性の図(大袈裟に描きました)

これの対処法もやはり、仮置きの段階でビスを仮打ちしておくといいでしょう。

以上のことに注意すれば、貼り終えて地上に降りて屋根を見上げた時に、(アレ?)とならないで済む確率は低くなると思います。

3.一人で施工する場合は工夫が必要
オンデュリンを更に綺麗に施工する方法オンデュリンに限らず屋根材を施工する時に注意するのは出代(でしろ)を揃えることだと思います。特に屋根の作業は不安定なので出代まで気を使うのは難しいと思いますが、私はこれをやらないで後悔をしたので書き残しておきます。これは実際に私がやったことではなく「こうすればよかった」というものです。何かと言うと、出代を一定に揃えるための治具を作っておけばよかったです。

オンデュリン波板
治具(緑色の部分)

治具を使うことで出代を揃えることができるはずなので、施工後に出代を揃えるためにカットをする必要がなくなると思います。
これを言うと元も子もないですが、複数人で作業をすることをおすすめします。

これから波板、特にオンデュリンの波板を施工する方に向けて、後々カットするはめになった愚か者より愛を込めて。


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