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真似されて気づいた口調

どんな内容かは書かないが、今日は40人くらいの元気なシニアの前で奮闘する日だった。身振り手振り大きく、お腹から声を出して、前にも書いたが「あんた誰よ」ともうひとりの私が白い目で見てくるくらい、柄にもなくアクティブでアグレッシブでアテンティブな先生を演じる日。

やっている間は夢中だけど、終わるとどっと疲れる。疲れるけれど、どこか爽快感もある。「自分が自分じゃないような時間」は楽しい。でも、そう思えるようになったのはここ1、2年のことで、最初の頃はちゃんと「私」がやっていた。そうするとグチャグチャ考えすぎて上手く行かなかったり、フィードバックを受けて「ダメな私」に落ち込むことも多かった。

今はたとえ何か言われても落ち込みはしない。これを「自信がついた」というのかもしれないけれど、慣れただけかもしれない。

ともかくそんな感じで、生徒さんをリードして、いつものようにハイテンションで「すばらしい!」とか「いいじゃないですか!」「そうそう、そんな感じで!」などとやっていたら、視界の隅に、私のそれを真似る人がいるのが見えた。私が「すばらしい!」と言えば「すばらしい!」と身振りも交えて真似る。そしてお隣りのオジサマと笑う。若手だし、普段から元気で面白い人なので、いかにもやりそうなことだ。

一瞬、素の私がそれを気にした。「え? 私ってあんな感じなの? もしかして馬鹿にされてる?」

でもでも、今の私は私であって私ではないのだ。そもそも本当の私のことなんて皆さんは知らないし、知ってもらう必要もない。

笑ってくれているんだとしたら、それもいいじゃん! 
顔を出しかけた「私」を制して駆け抜けた。

 くぅーっ、何か新しいリアクションを考えてやるー。