![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134289377/rectangle_large_type_2_a50e8dc103257cd48967f086016bc28f.jpg?width=800)
毎日note #11 楽曲深掘りの土曜日 マモリビトが涙腺を刺激する理由は、歌詞だけではないー三期生のあの子たちであればこそ 2024年5月11日付
櫻坂三期生がおもてなし会を開催してから、一年以上が経過した。
お披露目のVlogに始まり、少しずつその存在感を増しながら、村井優・山下瞳月のVlogで完成した直後におもてなし会。二人の人気が凄まじかったのはもちろんあるけれど、各人各様というか、人それぞれに歩みを進めるスピードというのは違うのだと、みんな違ってみんないい、というのを体現してきたような一年だった気がする。
いきなり人気が爆発するもあり、少しずつ着実に人気を獲得していくのもあり、それはダンススキルであったり、そもそものアイドルとしての存在感であったり、人としての進む速さに正解などないと改めて思わされる、彼女たちの成長具合。
三期生曲として初めて渡された「夏の近道」。合宿で何もわからないところから始まったメンバーがいたことを目にしていた私たちとしても、その成長の度合に目を奪われた。
「静寂の暴力」は衝撃も衝撃で、既に彼女たちだけで一つの世界を作り上げることが叶う。そこにいることの覚悟の強さを思わされた。
「Anthem time」の疾走感に心惹かれる人も多い。ただ、それは疾走感だけが理由ではなく、加入間もない彼女たちを推し始めるBuddiesに対する宛書の歌詞にもある。ノリの良さの中にある、彼女たちを観ることのできる時間の有限性が、一瞬たりとも目を離せないと思わされるものをもたらす。
「何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう」は、まさに三期生が織りなすミュージカルだと思った。表現力を一年でここまで高めてきたということか。もちろん演出側の期待の高さも窺えるが、それに応える彼女たちのポテンシャルたるや。
ただ、私が今回言及したいのは、この曲。
「マモリビト」
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134289468/picture_pc_2bb19ff54f65bd8212a8aaf33cb03e53.png?width=800)
櫻坂46は、欅坂46に歴史のルーツをみる。
その欅坂は、そもそも乃木坂46がいて、成功を収めなければ誕生しなかったグループと言っていい。その乃木坂もAKB48がいなければ結成されなかったグループとも言える。AKBの公式ライバルというのが乃木坂の当初の存在意義だったためか、あまり言及されない部分ではあるが、どちらかというとライバルというより姉妹グループ。そして、この秋元系アイドルグループの系譜の中に、欅坂も櫻坂も存在する。
そして欅坂46結成後まもなくの、ほんの小さな偶然がきっかけとなって生まれたのが、けやき坂46、通称ひらがなけやき。現在の日向坂46である。
欅坂の話は今までに散々してきたこともあって、ここでは多くは取り上げないが、メンバー自身がその意識もないままスターダムに駆け上がってしまったことで、本来必要のない傷やストレスを背負うことになったグループだったと理解している。最初から、彼女たちがその世界観を体現しようと思っていたはずもなく、彼女たちのパーソナリティに触れた大人が、彼女たちに最も適したと判断して構築した世界。とはいえ、彼女たちの中にあるものと、世間的な名の浸透具合が合わず、そのギャップで苦しんできたことは容易に想像できる。結果、暗中模索の日々を過ごしてきた部分はあったはず。
欅坂は改名を迎え、櫻坂となる。櫻坂が順風満帆な船出だとは、関係者も私たちも、メンバーたちですら誰も思っていなかった。海図を持たざる船、それはどちらかというと漂流に近い。でもその中で、進みながら自分たちの道を見つけるしかなかった。そして、その道を選んだ彼女たちをずっと見ていこうと決めた私たちは、いつしかBuddiesと呼ばれることになった。推すとか、推される、というよりも、共に歩んでいく「仲間」であると。
欅坂時代の傷とはまた違う、別の暗闇が続いた時期があった。そのことによって受けた傷も当然あった。でも、自分たちが愚直に取り組んでいることが間違いでなければ、きっと花が開く日が来る。そんな思いが、櫻坂界隈の一致団結感を演出したような気もする。
そして、そんな櫻坂に新しい空気を吹き込んでくれたのが、三期生だった。
明らかに、三期生が入ってからの櫻坂は、少し違ったものになった。
勢いも、取り巻いているものすら、何か大きく変えてしまった気がする。
もちろん、良い方向へ。
「夏の近道」でフレッシュさの中にも力強さと、櫻坂の色を感じ、「静寂の暴力」では欅坂から脈々と息づいているグループの根幹を表に出してきた感があって、欅坂古参としては心が震えた。
そんな中での
「マモリビト」。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134289769/picture_pc_f9e8d44776aa45b1defaef749b6bddce.png?width=800)
アイドルに憧れ、でも自分にはなれるはずもないと諦め、それでいて心のどこかでは自分のそんな決断に納得しきれずにいた子たちが、ケジメをつけるためにオーディションを受ける。
そして、合格。
その日から、完全に人生が変わる。
合格者の人生の激変ぶりは、何度も目の当たりにしてきているが、根本にあるのは自分たちが憧れを持っていたグループに加入したという喜びではないだろうか。
櫻坂46は、実に数奇な運命を辿ってきたグループだ。
欅坂時代から、その数奇さは際立っていた。
ただ、それは既存のアイドルが好きな人には全く刺さらない。なんなら、アイドルを標榜しているのに、異端にしか見えなかっただろう。それが鼻につくからか批判の声も絶えなかった。
逆に言えば、彼女たちのように、欅坂をずっと見てきた人たちは、そんな異端と呼ばれたグループから目を離せなくなっていった人たちだ。
生まれ落ちてからその人生を歩んできた中で
隣で寄り添ってくれるグループに救われた
そんな経験のある人にしか刺さらない何かがあったはずなのだ。
だから目が離せない。
そしてそんなグループに自分たちが加わる。
その翻弄されてきた運命の数奇さを、自らのこととして受け入れるべき立場になったのだ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134289790/picture_pc_516fb600ad8dd1f59e92d6a5e62c0ab9.png?width=800)
センターを務めるのが、小島凪紗。
櫻の木の、マモリビト。
これを覚悟してからの彼女は、本当に一皮剥けたように思う。
おそらく、三期生全員がその意識の下にあると思うけど、櫻坂46というグループをずっと見てきた自分が、今度はそのグループを維持発展させる立場に立つという責任感を纏った姿。
これが人を成長させないはずがない。
卒業していった先輩の意思も
そんな先輩を見て抱いた自分たちの思いのあれやこれやも
私たちBuddiesの存在も
ある意味全てを総称しての「櫻坂46」であり、それを守ると誓う
いったいどれほどの責任感を身につければ、それを堂々と謳えるのか
そのこと一点だけをとっても、涙が溢れる。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134289831/picture_pc_a4c7293b9b6aac130d7207a277aba311.png?width=800)
そして私が最も心を強く揺り動かされたのは、次の歌詞。
若く強い後人が 次にやってくる日まで
誰一人 ここを動かない
若く強い後人。
つまり、四期生。
そんな四期生が入ってくるまで、誰一人櫻の木のそばを離れない、と穏やかな笑みを讃えながら歌う。
誰一人、という言葉を受け入れた彼女たちに涙が止まらない。
全員の意思が統一されていなければ、できない決断だ。
仮に自分はそう思ったとしても、他のメンバーまで全員が同じ気持ちになるというのは相当難しい。
大人に言わされた?
それは違う。
もしそうなら、あんな穏やかな笑みでその歌詞を歌えるはずがないだろう。
私たちには想像しかできないけれど、毎日は楽しいことだけではないはず。
苦悩も涙も毎日のようにあるはず。
でも、たとえそうだったとしても、自分の居場所がここであるとはっきり言えることがどれだけ幸せか。
彼女たちは、間違いなくその場所を見つけた。
欅の木に咲く櫻は、かつて持っていたものとは違う強さを手に入れたように感じる。
それは、例えばしなやかさ。
かつての欅の木は、強い風が吹けばまともにその風に抵抗し、根元から折れそうになった瞬間も何度もあった。
それが、その枝に櫻を咲かせるようになってからは、しなやかさも身につけたように見える。
しなやかさとは、これすなわち、究極の弛みである。
風が吹く方向に体を同化させ、風が収まれば元に戻る。
そしてそれができることこそが、本当の強さであると。
彼女たち三期生は、そのしなやかさを自らのものにしたように思える。
だからこそ、マモリビトになれたのだと。
![](https://assets.st-note.com/img/1715387848285-IttdjGjrz3.jpg?width=800)
笑顔で、そんな大それたことをやってのける三期生。
三期生のファンが単独でついていることも、頷ける。
そして一人一人を見ると、実に個性的で、一人として同じキャラがいない。
マモリビトに、同じような人は二人いらない。
何かを守ろうと思えば、その人にしか持ち得ないものがないと、難しい。
心から、三期生を、櫻坂を、今の活動を、愉しんでほしい。
一点の曇りもない、真っ新な心。
これから進む人生には、いろんな困難もあれば、いろんな見たくない場面に遭遇することもあるかもしれない。
たとえそうであったとしても
そんな真っ新な心が真っ新でいられない出来事が現れたとしても。
何かを守ること
いや、何かを守ろうと本気になったこと
その経験が必ず糧になる。
8th BACKS LIVEに参加した三期生。
本当に強すぎる成長を見せた。
おそらく多くの方にご共感いただけると思うのだが、この曲が心を打つのは歌詞のせいだけじゃない。
そこに裏打ちされる思いが、紛れもなく本物だからだ。
櫻坂が好きで、先輩が好きで、この活動が何より大好きな彼女たち。
そんな彼女たちだからこそパフォーマンスができる、マモリビト。
先輩たちが、運命に翻弄されながら過ごした日々を知っている私たちにとって
そんな全てを受け入れ包み込もうとしている後輩が現れたこと
こんな嬉しいことが他にあるだろうか
少なくとも私個人としては、この曲を聴いて涙を流す理由があるとしたら、それしか考えられない。
だからこそ、私も彼女たちと同じ言葉を口にしたいと思う。
自分には何が できるのだろうか
ただそのことだけを 考え続けて行こう
![](https://assets.st-note.com/img/1715387867525-8e48Uc929p.jpg?width=800)
noteの中でも、櫻坂46・日向坂46に特化した内容ですので、特に二つのグループの推し活を経て、皆様に文章で還元できるよう努めてまいります! よろしければサポートをお願い致します。