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土生瑞穂を失うという、本当の意味

まず、失う、という言葉はおそらく適切でない。
事実ではあるけれど、適切かどうかは話が別だ。


櫻坂46、土生瑞穂卒業発表。


↓彼女の卒業発表を受けての、運営としての公式発表。

いつの頃からかはっきりとは覚えていないけれど…櫻坂になってからだろうか、卒業発表のしかたがほぼ固まってきた。本人のブログ→公式コメント。それ以前は「〜に関しまして」というタイトルで運営から出され、それの恐怖症に陥っていた人も多かった。
このスタイルになり、運営からのタイトルもはっきり「卒業のお知らせ」と書くことで、妙な恐怖心はなくなったと感じる。もちろん、メンバーが卒業することへの寂しさ切なさまでが変わることはないけれど。

一期生の卒業。特に欅坂から推している人にとっては、心のどこかでずっとそれがいつ来るかという想いと共存しながら彼女たちを見つめているはず。多かれ少なかれ、きっとあるだろう。
ずっとずっといてほしい、という気持ちはもちろんありながら、それでもどこかで、いつかは卒業するんだろうな、という想いには抗えない。過去卒業していったメンバーのことを見ていると、そう思うのが自然である。しかも一期生に限らない。二期生だってもう5年の歳月が流れ、二期生の卒業生も不思議ではないし、実際に出ている。

理屈ではそうなんだけど、寂しいものは寂しい。



土生瑞穂の、超がつく人見知りの度合いを知っている人ならば、今のキャラを当時想像しろと言っても難しい。だから私にしてみれば、よくぞここまで一期生の一翼としてそこにいてくれたという感謝の念しかない。

本当に、よくぞここまで。



実際の話、土生瑞穂が楽曲の軸のポジションにいるのは、身長の高さがためだ、という人もいる。もちろんそれもあるだろうけれど、私はそれだけではない気がしている。


それは、彼女だけが持つ唯一無二性。

土生瑞穂だからこそ出せる空気感。決して身長の問題だけでなく、彼女のこれまでの生きざまだったり、乗り越えてきたあれやこれやであったり、そういうものが反映されてそこにいるからこそ、成り立つ世界なのだと思っている。櫻坂のメンバー全員に言えることではあるけれど、代わりなど効くはずがない。




土生瑞穂を失うという、本当の意味。



もちろんそれは、今まで櫻坂が提示してきた世界観が出せなくなる、少なくとも一部欠けてしまう、という意味もある。これは厳然たる事実だ。けれど、そればかりに固執し、彼女を引き留めることだけに終始するのも、櫻坂の未来にとっても、彼女の未来にとっても宜しくないと思っている。
不思議なもので、そう思えるようになったのは、やはり数多の卒業生を見送ってきた達観から来るものなのかもしれないけれど…


だからこそ、本当の意味とは、新しい世界観の創造なのだ。
土生瑞穂なしで、或いはそのポジションに誰かが入るとして。
土生瑞穂の代わりは、誰にもできない。
それは、どのメンバーがどのポジションに入っても、できることではない。

代わりを務める、という発想を一旦忘れることが大切なのではないかと考えるのだ。

そうではなく、土生瑞穂にできない、新しくそのポジションに入るそのメンバーにしかできないことを創造する、ということ。


これこそが、土生瑞穂を失うことの本当の意味だと思うのだ。


11月25日。
3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE初日にて、彼女は卒業するとのこと。
翌日には、アニラ2日目がある。
ということは、その2日目から早速、土生瑞穂のいない櫻坂を構築し提示しなければならないのだ。

彼女にしか醸し出せない空気は、確かにあった。

でも、次は、そこから新しい道を進む櫻坂にしか出せないものを作る。


それしか、ないのだ。


私は、彼女の経験してきた苦悩の、おそらく100分の1も理解していないかもしれない。
それでも、あれだけの荒波に揉まれてグループ活動していく中で、彼女にしか見えていない覚悟というものがなければ、ここまで辿り着けるはずがない。そう私は推察する。

さらにいえば、自分がこのグループを離れても大丈夫だと、心から思える環境になったことが、決断を促進させたのだろうという想像もつく。
今の櫻坂は本当に雰囲気がいい。
それは、最も近くで見ている彼女がよく知っているはず。

未来を、託す。
言葉にすれば簡単だけど、これがいかに難しいか。

櫻坂に改名してから、

松平璃子も、
守屋茜も、
渡辺梨加も、
渡邉理佐も、
尾関梨香も、
原田葵も、
菅井友香も、
関有美子も。

巣立つ日を己が決めるというならば、自らの将来に責任を負うということを意識すればするほど、居心地のよかった自らの居場所を案じるのは当然のことだ。
巣立てる、という判断ができたのは、本当にグループが熟成してきているからではないか。少なくとも彼女はそう思ったのではないだろうか。


顔で笑って、彼女の将来を想い、
心で泣こうじゃないか。




卒業まで、あと88日。








…と、いつものスタイルで書いてはみたものの、やはり寂しくて仕方がない。
自分が目を奪われ、そしていつの間にか必死に追いかけていたあのグループが変容していく様は、寂しいという言葉以外に形容詞が見つからない。

ここで、私が泣いて叫んで、土生ちゃん辞めないでくれ!と言うことも、できると言えば、できる。

でもそれをしたところで…という思いも一方にあって。

別に、聞き分けの良いのが正しいとは、実は私も思っていない。
ただ、納得いかないか、と言われれば、彼女たちについては十分すぎるくらい納得できてしまう。
あれだけの道を歩いてきて、それをずっと見てきて。
自分の道を進みたい、と言ってくれた言葉に対して、何かを言えるのか。

言えない。

だったら、未来を語るしかない。



心がその狭間で、張り裂けんばかりということは、この場所に置いておきたい。

noteの中でも、櫻坂46・日向坂46に特化した内容ですので、特に二つのグループの推し活を経て、皆様に文章で還元できるよう努めてまいります! よろしければサポートをお願い致します。