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生皮を剥ぐ

<監督補佐>

樹木を倒した日に皮を剥ぐと剥ぎやすいが、日にちが経ってからではほぼ剥げない。その日のうちに処理してしまわないと、乾燥してしまった皮はチェーンソーで大きく削らないと使い物にならなくなる。折角の木は丸太のままの方が利用価値が高いので、倒した木の皮はその日のうちに剥いてしまう。この作業が終わらないと帰れないので間伐後は懸命の皮剥ぎ作業に励むことになる。

樹は枝が付いたままだと皮を剥ぐ際にそこで引っかかってしまうので、監督は樹が倒れると直ぐ、枝をチェーンソーでセッセと切り離し始める。同時に監督補佐は根元の方から皮を剥ぐ。

普通の鎌の3分の1くらいの大きさの鎌の先を引っかけて5~10㎝幅くらい皮を浮き上がらせ、それを掴んで思い切り引っ張ると、水分の多い時期は簡単に剥ける。

とにかく早く帰りたいので、簡単に剥けるのは心底嬉しい。最初の頃は剥いだ皮はそのまま放置しておいたが、皮の下からは雑草も生えて来ないことがわかり、途中からきちんと丸めて1カ所にまとめて置くことにした。小山のようになっている皮の中にマムシが潜んでいるような気もして不気味なのだが、冬になって乾燥して来ると、上から少しずつ取って焚き火の燃料にしている。

<現場監督>

皮を剥ぐ前に枝を全て取らないといけないのだが、当初この作業をノコでしていた。ところが皮を剥いだ後を見ると、枝の部分がポコポコと飛び出した状態なのである。ノコだからどうしてもそうなる。ところがチェーンソーを使い始めるとこれがなくなった。枝の付け根の部分を本体の皮のところ以上に切り込んで削っておくと皮を剥いでも直ぐに使える状態になる。何でもやってみないとわからないもんだ。


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