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監督の誠実さを疑う監督補佐

<現場監督>

山仕事は一種のスポーツのようなもので、しかも1人でするより2人でチームを組んで実行した方が面白い。助けられたり助けたりの兼ね合いが雪山登山のような面白さなのである。雪山登山などは2人共したことがないので勿論これはテレビを見ていてそう思ったのだけれど、相手方の安全をいつも考えて、補助したり補助されたりする具合がよく似ているのである。

私と補佐では体重にして2倍の差がある。ここが問題で、重りの役割は得意だが支えてもらうのは不得意というか不適切な関係に陥ることになる。

ハシゴの下で重しとなっハシゴを固定する役割は最も得意とするところで、監督補佐が上に登る時には安心して登って下さいと声を掛けることになる。ところがである。どうも彼女が描いた絵を見ると、そうした場面でも私の誠実さを疑っていたようである。日頃の態度が悪かったのかなぁ~。

<監督補佐>

その通りです。監督と山仕事をしていると、「備えよ常に」のボーイスカウトの標語と同じ言葉を念頭に置いておかないと危ない。ハシゴの下で「ハイ、登って」と言われても、よく見るとハシゴの片足が宙に浮いていたりする。屋根のカーボネイトを釘で止め付ける時も、安全ベルトや固定するロープを用意していない状態で「ハイ、行ってきて」と事も無げに言う。

誠実さを疑うと言うより、監督の無謀さを認識している監督補佐だから、そしてそれに常に備えているから、2人とも遭難しないで済んでいるのではないかと思う。

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