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間伐材の選び方

<監督補佐>

間伐材の選び方は舗装道路の向かい側の山林の枝打ちに来る職人さんに教えてもらったのだが、良い木を残して、中が空洞になっていそうな木、周囲に比べて勢いのない木を切り倒すこと、林の下から空を見て、ポッカリと穴が空いた状態を次々と作ればよい、皮剥きは春のお彼岸から秋のお彼岸までが楽である等、親切に教えてくれた。

中が空洞になっている木というのは、幼木の時にウサギが幹をかじったからなのだ、ということも聞いた。幹を齧ると何故、空洞が出来るのか、その原理をいぶかったが、直径40㎝はある木の真ん中に空洞があると、その昔、ウサギが幼木をポリポリ齧ったのかとその様子を思い浮かべるのである。

<現場監督>

皮剥ぎが最も楽になるのは梅雨が明けた頃である。樹木の水上げが激しくなっているので、皮を剥ぐと木質表面は水浸しのように濡れている。地面の水分を思い切り吸い上げて一挙に成長しようと、それぞれが精一杯の力を出していることがよくわかる。

この水分に満ちた形成層の部分が、あらゆる昆虫の御馳走になるらしく、土地に接している部分はすぐに虫食い状態になってしまう。従って、倒れた木を地表から浮かしておく為に短い丸太を倒した樹木の前後に入れなければならない。この為には切り倒した樹木の残っている根元部分を更に切り倒す作業も必要になる。これらの作業はどうしても6月から8月が中心になるのでとにかく暑い。監督補佐は隙を見付けては休息を取っていた。




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