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頭も使いよう

<現場監督>

作業の中で片一方を固定しておく必要がある時に、ロープを使えない場面も出て来る。そうした場合には監督補佐にその固定作業を頼むことになるのだが、丸太が大きくて重い場合には両腕だけでは支え切れず、頭を使うことになる。

要するに、額とか頭を3本目の腕として使うわけである。私の方がもう一方の端に穴を開けてボルトで固定しようという場面であるから、当然ドリルの振動が激しく伝わることになる。その場合、監督補佐の頭はその振動に耐えねばならない。作業が終わった時に何となくボーッとしている監督補佐の様子がおかしいので思わず笑ったら、エライ怒られた。

マッサージチェアでは頭は柔らかく揉むだけで、振動を与える方式は無いようだ。ドリルの振動には脳の隙間を埋めて密度を上げ、脳を活性化させるという作用はないようだ。笑ってスンマセン!

<監督補佐>

監督は、丸太が大きくて重くても、それが支えられていないと作業が出来ない時は、監督補佐が支えるのが当然と思っている。作業を始める前に「両腕では支え切れず、頭を使うことになる」などと監督が周到に考えているわけはなく、単に自分の計画どおりに作業を進めることだけを考えているのである。

結果的に補佐が丸太を支え切れずに丸太ごと墜落するよりはマシだと思って頭を使っただけであるのに、如何にも作業の手順として「要するに頭を3本目の腕として使うわけである」などと、補佐の頭を3本目の腕として使うのが当然のように解説されると、違う、止むを得ず使っただけ、と反論したくなる。違う。

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