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#22_創業ものがたり_Our Story(2018.08.30)

当法人は、明日で創業3周年を迎えます。

これを機に、体制を刷新し、ホームページ内の人事関連箇所を更新しました。

これに伴い、当法人の設立当時に発表いたしました「創業のご挨拶」はホームページからは削除いたしましたが、引き続き当法人が生まれた「原点」として私たちが大切にしている「初心」でありますので、ここに「創業ものがたり」として残したく思います。

よろしければ、ご覧いただけましたら幸いでございます。
※末尾に英文記載

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   このほど、桜とお茶を掛け合わせることによる普遍的な日本文化の発信と、国際社会での日本の勢威回復を企図する特定非営利活動法人(NPO)桜茶meetを設立いたしました。その趣旨をご説明申し上げるとともに、皆さまのお知恵とお力をお借りしたく、本状をお送りする次第です。 

   米国首都ワシントンD.C.のポトマック河畔に日本から寄贈された桜が根を張って一世紀余。全米桜祭りは、ワシントンD.C.に春の到来を告げる風物詩として、多くの市民に親しまれています。一方で、時勢の移ろいとともに、日米の友好善隣の象徴という本来趣旨が見失われ、イベントとしての規模拡大のみが重視される懸念もあります。さらに近年、発言力を強める中国や韓国が、桜祭りでの自国展示を求めていることはご承知のとおりです。申すまでもなく、ワシントンD.C.は世界政策の策源地であり、この地でのプレゼンスが自国の機微に及ぼす影響は計り知れません。  

   そこで、微力ながらワシントンD.C.における日本復権の一助を為すために、私が手掛かりとしたのが茶の湯です。桜木がワシントンD.C.に渡る少し前の1906年、岡倉天心が日本文化の啓蒙書として「茶の本」を英語で出版し、今もなお世界中で愛読されています。お茶は和の精神を凝集した極致であり、日本が世界に誇り得る文化の真髄です。「相手」があり成り立つ茶道において語られる一期一会、主客一体といった概念そのものが、向後の国際コミュニケーションに欠くべからざる要素であり、混迷の度を増す世界政治の舞台で、日本が主体性を発揮するメッセージとして好適なものと考えます。信長や秀吉をはじめとする戦国武将が、政略・交渉の場として茶席を用いたことは有名ですが、茶道自体に優れて政治的な側面があることの証左かもしれません。 

   ワシントンD.C.を彩る桜祭りの会場で、野点を中心とした茶の湯文化を発信することにより、いま再び、日本のプレゼンスを世界に高める一助としたく存じております。一過性のおもてなしツールに終わらせるのではなく、継続的かつ拡張性をもって茶道文化の普及を図るため、当NPOでは、国内外において豊富な文化交流事業の実績をお持ちである茶人・小泉宗敏先生の参画を仰ぎ、機会を捉えて茶の湯指導や日本文化の紹介に尽力してまいります。 

   何よりヒントになりましたのは、昨年の活動を通してワシントンD.C.現地で耳にした、「日本のお茶は美味しい。でも、それをただ味わいたいのではなく、その『行為』を通して日本文化が持つ世界を味わい、学びたい」という熱心な声でした。国境を越え、一対一で向き合うことで生まれる心の通い合い、そのような価値を共有する仲間の輪が本活動を通し広がっていくことで、「対立」から「調和」へ、日本発の草の根国際貢献ができると考えております。現地には今、確かな需要があります。何より私自身が、本活動を通しその精神を学んでまいる所存でございます。 

  何卒趣旨にご賛同賜るとともに、本事業へのご後援を頂戴できますよう重ねてお願い申し上げます。す。                                                                                              

2018年8月30日
河合顕子

(文章:理事・安田俊哉)



   
We have recently established Sakura Cha Meet, a UN Alliance non-profit organization (NGO) that aims to spread the Japanese concept of harmony through the celebration of the cherry blossom season and the Japanese tea ceremony.

We believe that Western countries and the world would benefit from learning the concept of harmony which is so essential to the tea ceremony and eastern philosophy in general. Ultimately, we want to cultivate this concept in the minds of future global leaders. Today, global leaders are only influenced by Western culture. We truly believe that if they learn and practice the concept of harmony through tea diplomacy, the world can move forward in peace, with more collaborative and empathetic leaders. This can only be achieved by educating the young generations of future world leaders to learn and share harmony for peace.


One of the most inspirational quotes I have heard during last year’s activities in Washington D.C. was that “Japanese tea is delicious. But I don’t want to just taste it, but I want to learn the world of Japanese culture through its acts. I want to taste and learn.” In the tea ceremony, we are able to cross borders and have face-to-face mutual communication in a circle of peers who share the common goal of going from conflict to harmony. From this Japanese concept, we believe we can contribute to fruitful international dialogue. It is clear that there is a strong need for this type of dialogue in our world today. Through participating in the tea ceremony, leaders can learn the concept of harmony.


In order to promote harmony and dialogue in our global leaders, your understanding and support is invaluable. We kindly ask for your support on this project.                                                                                                    August 30, 2018
Akiko Kawai                                                                                               

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