人生で1番好きだった人

ふと、書きたくなった。
人生1番に好きだった人のことを。
今はもう会うことのできない、あなたのことを。

こうして休日、1人で過ごすと思い出す。
あの人は今どうしているのか、何をしているのか。






大学時代の一番貴重な3年間を私は彼に捧げた。


優しくて博識で、少しいじわるで無邪気で少年のような、太陽のような人。
付き合ってる3年間、幾度となくすれ違い、喧嘩もしたけど、一生離れることはない。この人しか知らないまま死んでも後悔はない。
そう思える人だった。


突然の別れが来たのは大学4年に上がる時だった。
年上の彼は、スカウトを受け事務所に所属することとなった。


それから日常の全てが少しずつ変わっていった。


圧倒的に言い合いが増えた。辛くて、すごく寂しかった。
離れてしまうじゃないかという不安に押しつぶされそうで眠れない日々が続いた。

ある日、恋愛の番組に参加することが決まった。まだ若い彼に拒否権はなかった。

2人で終わりを迎えることを決めた。
一緒に暮らしていて、すぐに別れることのできない私たちは別れる日を2ヶ月後に定めた。


最後の最後の、最後の1秒まで一緒にいた。
こんなにも唐突に別れはやってくるのか。
ずっと当たり前に一緒にいられると思っていたのに。


彼と行った場所にはまだ行けない。思い出が多すぎて。
ふとした時に泣いてしまう自信がある。

全ての連絡先を消して気持ちの整理をつけた。写真はまだ消せないけど。



数年後、友達伝手に彼のインタビュー記事を読んだ。
「人生で1番好きだった人」というタイトルで、鮮明に、過去の2人の記憶を辿っていた。涙が止まらなかった。


今頃君はどうしているのだろうか。
元気にしているといいな。


あの時からテレビは見れなくなった私は、今も写真の中で彼との思い出を思い返す
いつか会った時に、今までの期間について思い出しながら笑い合いたい。


不思議と、彼と戻りたいと思うことはない。
きっと私もあなたもあの頃とはもう違うと、わかっているから。



ただただ大好きだった、誰よりも。
あの時の幸せな気持ちを胸にしまって歩んでいたい。


いつでも、いつまでも私はあなたを想っています。
元気でいてね。



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