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子を悩ます成長痛を家庭で克服するスキル



第1章、こどもの〝成長痛〟は〇〇の兆候


 運動会を控えた小学生の息子が

〝足が痛い〟 〝お膝が痛い〟

訴え始めました。〝成長痛キター!〟私の周りにみえた皆様は膝を摩ったり、足を揉んだりすることを期待されていたようですが私は患部にあまり興味がありません。なぜなら私がよく用いる秘伝のツボは膝にも足にもありません。それは体幹の深部に存在します。そして意識がある最中は閉じて隠れています。お子様が眠りにつくと副交感神経の作用でツボの蓋が緩みアプローチできます。

1-1 秘伝のツボへ働きかける

 実は秘伝の術のアプローチポイントは1箇所だけではなく、各流派ごとに門外不出の方法論が伝えられています。私はそのうちの2箇所のアプローチポイントをよく用いています。そのうちの1箇所は高いスキルレベルを要求しますがもう1箇所は簡易で万能、大人になってからの膝痛・腰痛などにも効果があるのでセルフでケアできるようにしておいて損はありません。ご家庭でご両親がセルフでケアされているお子様は安泰でございます。

fig001_危険な腹筋運動



1-2 成長痛になり易い子の特徴

 私たち整体・カイロ業界に身を置く治療家は経験的に成長痛になりやすいお子様の特徴を知っています。

 1、鉄棒の逆上がりが苦手な子
 2、体操座りでお尻が痛くなる子
 3、腹筋で尾骶骨が痛くなる子

 成長痛を訴えるお子様は安心ですが〝無理強いを強いる環境〟により痛みを我慢されているお子様には周りの大人が気をかける事がとても重要です。とは言え放置して大人になった場合の99.99%の方は大事に至りません。慢性腰痛・慢性膝痛・外反母趾・慢性頭痛・更年期障害などを患うだけで命の別状をきたすようなことはないでしょう。

 ご本人様がどんなに痛みを訴えても病院や医療機関ではあまり相手にされない〝未病〟即ちまだ病気ではない状態として分類されます。このようなグレーゾーンは武田邦彦先生も仰っているように私たち自然療法家の得意とするジャンルになります。運悪く0.01%に該当される方様は椎間板ヘルニア・斜頸(ジストニア)・側湾症・加齢黄斑変性などを患う可能性が危惧されます。私の師匠である故人:林征由葵先生は斜頸・加齢黄斑変性の診断を受けた方も回復させる、もしくは進行を止める秘伝の技を持たれた職人気質のカイロプラクターとして有名でした。0.01%の中のさらに症状の重篤な0.01%へ該当しないように成長痛を気にかけることは無駄ではないでしょう。もちろん過剰に心配する必要はございません。

fig002_皆様のご健康



1-3 成長痛の原因は謎

 私たち整体・カイロ関係者間で最も確からしい仮説は〝尾骶骨圧迫〟です。成長過程で骨融合前のお子様は尾骶骨への外力が尾骨神経を通じて脊柱や脳へ伝わりよからぬ影響を生じるという仮説です。体力の落ちてくる高齢者様も尾骶骨がネックになるので平成の頃から介護・リハビリの現場ではドーナッツ座布団を用いて尾骶骨を保護するようにされています。

このような事に無頓着な方は年数を追うごとに症状が進む傾向が観られますが私たちが担当していないので詳細はよくわかりません。経験的に学校で腹筋運動を一生懸命されているお子様が尾骶骨の痛みを訴え、やがて成長痛へ発展していくケースが多いことを知っています。それは大変!早速尾骶骨を摩らないといけないと思われたかもしれませんが尾骶骨は丈夫いので大丈夫です。尾骨神経から中枢へ伝わる外力が何処までなのかが重要です。早期であれば腰のあたりまでしか伝わっていませんが、継続的に繰り返し尾骶骨へ外力をかけていると脳までストレスが伝わります。今回の記事でセルフケアできるケースは脳まで伝わっていない状況を想定しています。この記事に目が止まる意識の高いご家庭であれば腰に蓄積したストレスを除去するだけで成長痛を克服できるでしょう。脊柱を介して脳までストレスが伝わっている事は稀なのでご安心ください。



1-4 簡単セルフケアのやり方

 最初にお伝えしておかないといけない事があります。私自身は地方で接骨院を細やかに営んでいた柔道整復師で、大病院などで百万件の症例を経験している専門医の諸先生方からみれば個別症例20〜30例などは症例と呼ぶに値しません。これから解説するスキルは未病レベルの民間療法の一つぐらいに認識されてください。それでもご両親様が我が子に対して手当てする場合に、闇雲に膝を摩っているよりは圧倒的に効果が期待できます。お子様が寝静まったらこっそりと秘伝のツボへ働きかけてください。紙面の関係上、一旦ここで筆を置きますがサイトにてスキルを図解しています。ご興味のあるかたはブログへ訪れていただけると嬉しいです。ご購読ありがとうございます。

成長痛:3歳から12歳ぐらいの子供に起こる足などの痛み。痛みの原因は未だはっきりとは解明されていない。
加齢黄斑変性:眼球深部の黄斑部に異常が生じ失明する病気。有効な治療法はまだ確立されていない。

フリー百科事典ウィキペディアより引用


こどもの成長痛は〇〇の兆候_Vol152号

健康・運動・哲学・グルメの月刊紙
ぶるーと通信 Vol.152号 掲載記事


第2章、お子様の尾骶骨は神様との糸電話


2-1 尾骶骨と成長痛の関係

 成長痛の原因は先にも述べたように謎でございます。DNAに起因した先天的な疾患のサインかもしれませんし、後天的な環境におけるストレスが原因かもしれません。後天的なストレスでも物理的な衝撃と精神的なトラウマの両方が起因の要因として推測されます。腹筋運動により尾骶骨が痛くなる方の骨格的特徴はDNAに起因した親からの遺伝かもしれませんが負荷のかかる動作を止めれば問題ありません。骨盤の形状や臀筋の発達具合により激しい腹筋運動をされても全く尾骶骨へ負担のかからない方も大勢います。巷で言う〝健康的で頑丈な身体〟この記事はそうではないどちらかと言うと虚弱で不健康な方が対象になっています。成長痛を理解するために身体の構造から考えていきましょう。

fig003_骨格002

 現代医学において一番大切なものは脳と脊髄神経だと判断されます。心臓は人工心臓が実用化され内臓はドナーから移植できるようになった今日でも脳と脊髄損傷だけはお手上げ状態であります。大切な脳の容器が頭蓋骨、脊髄を保護するフレキシブルカバーが24個の椎骨からなる脊柱(背骨)になります。解剖学的には脊髄神経とは呼称しないで馬尾神経と名称される細い神経が骨盤背側の仙骨とその下まで通っています。

 解剖された先生が〝馬の尻尾のようだ〟ネーミングされたそうです。その中の一本が尾骶骨まで通っていて、それが尾骨神経ですが尻尾の退化した人類には不要な使われていない部分であると認識されています。愛知県人の鳥山 明さんが連載したドラゴンボールというマンガでは暴れん坊の猿が尻尾を握られると大人しくなるシーンを描写されています。この発想は東洋思想的に興味深い世界観を感じ共感します。尻尾はとても大切であるという考え方ですね。

 私たちは医師免許を所持しない医学会などの研究論文は閲覧できない身分、仮に閲覧できても英語論文を読み漁れるほどの能力や知能もありませんので医学的な事は把握できません。東洋思想的な価値観になりますが尾骨神経が他の重要な神経と違い筋肉や内臓などの制御に寄与しない〝使われない神経〟であったとしても脳と直結していて情報伝達ができる状態であると考えています。手をついたり膝をついたりの痛み刺激は末梢神経を介して脳へ伝わりますが尾骶骨への直接的な刺激は末梢神経を介さずに脊髄神経で直接的に脳へ伝達されます。ここでは脊柱と骨盤、仙骨、尾骶骨内の馬尾神経も含めて脊髄神経と記しています。腰椎椎間板ヘルニアになっても〝そこは馬尾神経で脊髄神経でないから大丈夫〟以前に軽く言われたことがありますが脊柱管の中で生じる痛みは末梢神経からくる痛みとは別格の痛みであると認識しています。尻餅などで尾骶骨強打し背骨に電撃が走った経験を持っ方も少なくないでしょう。尾骶骨という骨に保護されていてもある角度からの刺激に弱い急所の一つだと判断されます。尾骶骨と尾骨神経系は脳と細く繋がった糸電話のように繊細で壊れやすいシステムだと推測されます。

 腹筋運動の弊害として尾骶骨圧迫が危惧されます。パートナーが足を固定し尾骶骨先端をテコのように作用させ上半身を起こします。尾骶骨を体重で押さえつけながら地面でシャクっていく過程でウイークポイントへ刺激が入ります。この刺激には腰部で緩やかに広がる〝鈍痛〟と一瞬で脳まで伝わる〝疝痛〟の二つで構成されています。地震で言うS波とP波とよく似ています。滑落による強打やバットで打たれる事と比較すれば小さな外力ではありますが継続反復して繰り返し行うと疲労骨折と同じ理屈で脆性破壊には至らなくとも神経的には良い影響は無いと考えています。この刺激による反射により弛緩している筋肉が緊張したり上部頸椎が変位したりすることが危惧されています。

fig005_パラボラ姿勢

 私たちは尾骶骨が視覚的に曲がる事を危惧しているのではなく尾骨神経への刺激が神経的に良く無い事を心配しています。糸電話と同様に乱暴に扱うと糸が切れてしまいます、これは比喩表現ですが尾骨神経が鈍感になると身体の繊細なバランス感覚などが失われたり脳の発達(IQ向上)の妨げになってしまうのでは無いかと危惧しています。私たちは杉田玄白先生と同様に神経は神気の通り道であると深く信じています。現時点でその役割がよく解明されていなくても尾骨神経にも重要な役割があり乱暴に扱う事は控えた方が良いと考えています。繰り返される尾骶骨圧迫による神経刺激が膝や足で生じる原因不明の痛みを誘発している可能性を危惧しています。私たちは医学的に原因究明される事を願っていますが、それまでの間は東洋思想的自然療法で対処していく所存でございます。


2-2 自然療法の基礎哲学

 妊婦さんのお腹の中には赤ちゃんが育っています。胎児は臍の緒を介して胎盤から栄養供給されています。この命を繋ぐ神秘的な自然現象には二つの重要な要素があります。

fig006_妊婦

1、臍からエネルギーを吸収する
2、臍は身体の中心にある

 栄養豊富な胎盤からの血流により胎児は成長していきますが東洋思想的な価値観では生まれた後も臍から宇宙のエネルギーを吸収していると考えます。これが丹田(たんでん)という価値観です。クラゲのように水中でフワフワしているペットに綱をつける時はその重心点に付けるのが物理的に良い結果を生みます。羊水の中で浮かんでる胎児に紐をつける場所として臍は理想的な重心点になります。

 正確には臍から腹に入り五つある腰椎の三番目、第三腰椎の前部あたりが重心点になるのでそこから臍の緒が生えていると考えています。重心点を引けば余分な回転や捻りが身体へ及びません。軽い力で安全に身体を移動させれます。

fig007_あかちゃん

 翻って重心点から離れた場所を引くと余計な捻りや擦れ、張力が加わり身体に優しくありません。豆腐やカステラ、ケーキなど大切なものを移動させる時には皆様無意識でされていることです。自重で形が崩れてしまうケーキなどを縁だけ握力で握って持ち上げようとすると崩れてしまいます、もちろんそんな事する方はいないと思います。この重心点を無視した動作をミスユース(Misuse)と呼び怪我や疲労の原因として知られています。

 虚弱な方が身体を鍛え免疫を向上させたいのなら丹田運動が良いでしょう。慢性腰痛やクセになったギックリ腰、むち打ち損傷の克服にも安全でよいエクササイズになります。パートナーは足を束縛する代わりに頭部のサポートをします。肩甲骨を地面から浮かせれない方に対しては肩甲骨を支えて姿勢保持のお手伝いをします。

fig009_ブレイクダンス01

 ブレイクダンスの方々のように重心点で身体をクルクル回転できるぐらいになれば元気100倍になれます。まずは数秒で良いのでパラボラ姿勢を保持して重心点を揺らがせれるようになりましょう。この運動は気感の有無に限らず物理的に丹田が鍛えられます。気感のある方であれば丹田から気が充満してくる感覚が伝わります。ただ一つ問題点があるとすれば受け身では効果がないという事です。ご本人様が自分でポージングされないと丹田は満ちてきません、パートナーや私たちはポーズのサポートをするだけです。コツさえわかれば寝ながらできる究極的に怠惰なエクササイズになります。腹筋運動に汗かく暇があったら丹田運動に取り組んでみてもいいですよ。


神経(nerve):動物に見られる組織で情報伝達の役割を担う。日本語の〝神経〟は杉田玄白らが解体新書を翻訳する際に神気と経脈を合わせた造語をあてたことに由来している。そのため解体新書が刊行された1774年(安永7年)以前には存在しない言葉。

パラボラ(放物線):放物面の形をした反射板は平行な光線、電波、放射線などを焦点に集める。アンテナなどの凹面鏡として利用される。

経絡(けいらく):古代中国に由来する用語。人体の中の気血栄衛(気や血や水などといった生きるために必要なもの、現代で言う代謝物質)の通り道として考え出された。経は経脈を、絡は絡脈を表し、経脈は縦の脈、絡脈は横の脈の意。

思惟(しい):哲学的には思考(しこう、thinking)と同義。対象を心に浮かべてよく考えること。浄土の荘厳(しょうごん)を明らかに見ること。仏教的な思考を指す用語のようである。

神(しん):古代中国に由来する用語。広義には全ての生理活動を主宰しそれを表現するもの。狭義には精神思惟活動を主宰するもの。広義の神は、精神・知覚・活動などの全ての生理活動を主宰しそれを体外に表現するもの。生命体はただの物質ではなく〝それを良く働かせ活動させている状態〟が生命という存在。肉体という形体と神という働きの結合は一体で神がなければ生命は死に至ると深く信じる東洋哲学的用語。

フリー百科事典ウィキペディアより引用


引用元のサロン記事



第3章、成長痛の正体とカラクリ


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