「千日前 いづもや」の『まむし』
「病院食が美味しない、あんた、これ食べてみ!」
足を悪くして入院していた、今はもう亡き私の母のワガママ。
外科でもあるし、当時の病院は食べ物の差し入れOK。今では考えられないね。なので、私はほとんど毎日、仕事を早い目に仕舞い、せっせと母の好きそうなご飯を運び、そこそこ美味しい病院食は私が平らげるのであった。
ある時、お婆ちゃん(母の母)も喜んだなぁ〜と思い出し、母の好きな「千日前いづもや」のちょっと深めの木の折に入った『まむし』を調達して届けたら・・・その喜んだこと、喜んだこと!
この『まむし』とは、タレをまぶしたご飯の間に鰻を挟んだもので、店内で食べるより、折詰めのお土産用を家に持ち帰り食べる方が、木の折の匂いがご飯に混じり、なんともいえず風味がよかった。
それに、冷めても美味しいというシロモノ。
まさにこの深めの木の折!
しかし、これは豪華な鰻が3枚乗っている。私の記憶はこうではなく、鰻のタレをまぶしたご飯の中に鰻が潜っていた。
そうそう、こんなカンジに、タレをまぶしたご飯で鰻をサンドし、木の折に収まっていた。
拝借画像の豪華な鰻3枚乗せは、上等なヤツやったんかなぁ〜・・・。
この老舗『いづもや』も気がつけば、いつの間にか千日前から姿を消していた。2008年3月閉店というのだから、もう15年も前になる・・・想い出したら、妙に食べたくなった「いづもや」の『まむし』。NETで木の折を探して自分で再現してみようかしら?
いやいや、今となっては、先ずこの木の折を探すことが一苦労。
ちょっと探しただけでも、もっと豪華な木の折はあるが、お土産用の折は厚紙かプラでできているので、あの郷愁を誘う素朴な香りは再現できないと悟る。
あ〜食べたいッ!
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