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五号室のお姉さん 第6話(天野 咲物語)

さて 毎日水遊びに加え レコードで一人遊びしている咲は
アパートに住む住人の人達と 仲良くしてもらっていた。

ただし咲は 男性恐怖症なので 女性としか接点はない。

そしてアパートの住人の中の一人で
咲をとっても可愛がってくれた お姉さんがいた。
そのお姉さんは 一人暮らしをしていて
空いてる時間が有ったら 良く部屋に呼んでくれて
一緒に遊んでくれた。

お姉さんのお仕事は 夜の蝶ストリッパーである。
だから 昼間は家に居ることが多かった。
とっても綺麗なお姉さんだったのを良く覚えている。

そのお姉さんと一緒に おはじきで遊んだり
時にはお化粧をしてくれたり
マニキュアしてくれたりして遊んでくれた。
なんやかんやと 色々とお喋りもしてくれて
とっても優しいお姉さんだった。

そのお姉さんには 悩みが一つ有った。
それは左半分に 大きなアザがあったのである。
咲は そのアザを初めて見た時何も言わず
何時もどうりに お姉さんと接していた。

お姉さんは咲に「怖くないの?」と聞いてきたが
咲は「何で?怖くなんてないよ」と言って
また 何事も無かったように 遊び始めた。
お姉さんは その時ニッコリと笑ってくれていた。

人前に出る時は 必ず化粧をして出てくるお姉さんだったが
咲の家族の前では 素っぴんでも会ってくれていた。

毎日とは行かないが とにかく一緒によく遊んでくれた。

でもある日お姉さんは アパートを出ていく事に成った。
何故かと言うと お姉さんは結婚する事に成ったからである。
咲は 仲良く遊んでくれるお姉さんが 出ていくのが
とっても淋しく 悲しかった。

でもある日お姉さんは 咲を部屋に呼んでくれて
化粧品入れをくれた。
ふたを開けて見ると そこには色とりどりのマニキュアが
びっしり入っていた。
お姉さんは咲に言った。「咲ちゃんこれ貰ってくれる?
お姉ちゃんもう使わないから 咲ちゃんにあげる」と言って
咲に差し出してくれた。「いいの?」と咲が言うと
「うん いいよ」とお姉さんは 笑顔で言ってくれた。

それから暫くしてから お姉さんはアパートを引っ越して行った。

咲は 淋しく成って アパートの屋上で
一人で少し泣いた。

いっぱい苦労して来たお姉さんだったから
これからずっと幸せでありますようにと
心の中で思っていたのである。

今回はこの辺で また次回別のお話をしたいと思います。

最後まで読んで頂き ありがとうございましたm(__)m

    作 天静 凛

YouTubeに朗読しています。
https://youtu.be/MPZr4Tp0gkQ

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