セフレ以上恋人未満の彼に「私と付き合ってる？」と訊いたら、「付き合ってない」と言われた夜

こうなることは分かっていたから、セフレでいたかったのに。いろいろと予定が狂った。

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その日は少し久しぶりに会う日だった。
私も、たぶんBさんも、いつもよりテンションが高かったと思う。たくさんハイボールを飲み、たくさん話をした。大阪で一緒に飲んだ女友達数人との写真を見せたら、Bさんが真顔で「あれ、おまえが一番かわいく見える。普段はそんなこと思わへんねんけど。疲れて目がおかしなったんかな」と言ったので、ぶつ真似をして笑ったことを憶えている。

どういう流れでかは忘れたが、元カレ、元カノの話になった。
Bさんは「あのときの彼女と結婚しとけば良かった、と思うことは結構ある」らしい。
「いままで付き合った子はみんな性格良かったから、結婚してもうまくいったやろうなーと思う。ちゃんと付き合った子はな。まあ、間にはカラダだけの子もおったけど」
みたいなことを言われて、なんだか考える間もなくポロッと
「私とは付き合ってるん？」
と訊いてしまった。
計算も何もなく、質問が口をついて出た、という感じ。

「付き合ってない！」

即答だった。

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そこから先、どんなふうに話をしたか、細かく憶えていない。
私の記憶の範囲内で、Bさんが言ったことをまとめると以下のようになる。

・おまえのことは好き。めっちゃいい女やと思う
・信頼もしてる。なんなら自分の会社に来てペア組んでほしいぐらい
・でも、離婚歴がある人と結婚するのがイメージできない。親も絶対反対すると思う
・毎日のように飲みに付き合わせておいてこんなこと言うのは最低やんな
・でもいま会ってもらえなくなったら俺は精神崩壊する

…おそらく、ここだけを切り取ると最低の男だ！と思われると思うのだが
私の胸にあったのは「ひどい」でも「なんで？」でもなく、「知ってた」というような納得感だった。

なぜなら、まさに私自身が、Bさんに入り込みすぎないように「今」だけの関係を求めてきたのだ。
ここでも書いたように、Bさんとの「未来」はない、ただこの町での孤独な生活を生き抜くためのパートナーであり、この町を離れるときはBさんと離れるときだと思っていた。

でも、いざBさんのほうから「未来」を拒絶されたら、ショックだった。
自分がショックを受けた、という事実そのものもショックだった。
そうならないように気をつけてきたのに。
こんなにショックを受けるほど、やっぱりいつのまにかBさんのことをめちゃくちゃ好きになってしまっていたらしい。面目ない。

もうひとつ、
拒絶の理由が「バツイチだから」というのも少しショックというか、意外だった。
「年上だから」は分かる。もし私が年下（ちなみにBさんは5歳下）の男性と結婚するなら、いちばんネックになると思うのは年齢だ。
しかしよく考えたらBさんは育ちも良さそうだし、親御さんに大切にされているし、堅そうな大手企業勤務の33歳男性である。婚活市場に出たら若くて条件の良い女性がいくらでも寄ってくるだろう。
そうかこういうスペックの人は離婚歴が気になるものなんだな、と、いまさら気づいた。
（年齢のせいか環境のせいか、周りにバツイチがいっぱいいるので麻痺している）

…と、こんなふうにある程度言語化できたのは少し時間が経ってからで
このときはただただ、「ショックを受けている自分」を静かに認識するしかなかった。

お店にいたので泣かなかったが、一緒に私の家に帰ってから、酔いも手伝ってべそべそ泣いた。

Bさんは「ごめん。俺、ゆいを泣かしてばっかやな。ほんまごめん」と言いながら抱きしめてくれて、今までにないくらいぴったりと密着して眠った。
夜じゅう、私がどんな体勢になっても追いかけてきてハグしてくれていたので、おそらく二人ともものすごく眠りが浅かったんじゃないかと思う。少なくとも私は翌日、意識を失いそうなほど眠かった。笑

あんなことを言っておきながら一緒に眠るのも酷い、狡い、と思われるかもしれない。
でも、何度も言うようだけど、こういう関係を望んで築いてきたのは私だし、私だって狡いのだ。

あらためて思う。もしBさんとの「未来」がなくても、この町にいるかぎり私は彼といたい。いま会ってもらえなくなったら精神崩壊する、のは私も同じだ。

ていうか、
Bさん変なところで真面目すぎない？
「付き合う」＝「結婚を前提としたお付き合い」だと思ってる？？
私も別に絶対結婚したいとは思ってないし、二人の需要と供給は一致してるわけで、つまり現状のBさんと私はやはり付き合ってるのでは？？？（急なポジティブ思考なんなん怖い）
そういうところは妙に誠実というか、嘘をつけないというか、偉そうにしてても年下のおぼっちゃまなんだよなぁと一周回ってむしろ好きが増してきてるんだけど？？？？（やだこの人怖い！）

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…というわけで（テンションが乱高下しててすみません）
一時的にショックは受けたものの結果として関係は変わっておらず、まだしばらくはBさんとの関係を楽しもうと思っているので
引き続きノロケにお付き合いいただけたら幸いです。