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食べて泊まるだけの金沢ひとり旅 〜前編〜

旅に出たい!
ホテルに泊まりたい!

…と、数日前唐突に思った。

夏休みに2週間家を空けたばかりなので十分じゃないかと自分でも思うが、やっぱりあれは少し違う。東京と大阪はあくまでも日常の延長だし、今回から大阪でのステイ先が「自分の部屋」になったので、より日常感が増した。
私がいま欲しているのはそういうのじゃない、旅でしか味わえない非日常感なのだ。

いつもと違う場所に行って、ホテルで存分にぐだぐだして、美味しいものを食べるだけの旅がしたーーーい!!
(むき出しの煩悩)

思い立ったらすぐに出かけたくなり、週末の行き先を考えた。これが火曜日か水曜日ぐらいの話。

金曜日の午後から行って土曜日に帰って来られる場所、ということで、場所は金沢に決めた。
アクセスがよく、街がコンパクトで回りやすく、おまけにある程度知っている場所。
知らないところに行くのも最高に楽しいが、今回の私はホテルでぐだぐだして美味しいものを食べたいだけなので、正直観光している暇はない。金沢はいままでに何度も行っていて、近江町市場も21世紀美術館も兼六園もひがし茶屋街もひととおり見た。もう今回はそういうの全部パス!ただただ、ホテルでぐだぐだして美味しいものを食べる!(しつこい)

そんなわけで、近江町市場も21世紀美術館も兼六園もひがし茶屋街も出てこない、弾丸金沢旅の話です。


SOKI KANAZAWA

金曜日の午後早くに会社を出て、そのまま金沢へ。
着いてすぐ、バスでホテルに向かう。
今回泊まるのは、近江町市場の近くにある「SOKI KANAZAWA」。昨年秋にオープンしたUDS系列のホテルである。以前から気になっていたところで、たまたま検索したら金曜日の宿泊が意外とお安かったのが、今回旅に出た決め手でもあった。

街にとけ込むシックな外観
広いベッドもいいけど、ツインのシングルユースが大好き
必要なものがコンパクトにまとまってて使いやすかった

外観も館内もお部屋も、決してラグジュアリーではないけれど、ミニマルでセンスがよく美しい。

何より嬉しいのは、大浴場があるところ!
暑かったので、着いて早速入りにいった。余計なものが何もない、静謐なお風呂。石造りの壁や浴槽が印象的だったのだが、ホテルのコンセプトブックによれば、石川県で採れる「滝ヶ原石」を使っているのだそう。
アメニティはOSAJI。シャワーヘッドが大きく、お湯が広い面で当たる感じもよかった。

スペイン料理 アロス

何年も前、友人と金沢に行くことを決めたとき
「金沢には良いスペインバルがあるの!!」
と母に熱弁を振るわれた。
当時は、せっかく金沢に行くのになんでスペイン?と思って無視した(ごめん)。

その数年後、今度は母と金沢に行った。
たしか連休で、金沢はどこもかしこも人でいっぱいだった。件のスペインバルも満席で予約できず、別の海鮮居酒屋でごはんを食べたあと、遅い時間に少しだけ寄らせてもらった。
2軒目だからほとんど食べられなかったのだが、確かにすごく良いお店だということを、舌よりも肌で感じた。また来よう、と心に決めた。

…からの今回である(前置きが長い)。
金沢の有名店、アロスさん。

金曜日だし混むに決まっているが、開店(17:30)直後のおひとりさまなら飛び込みでも入れるのでは?という期待が当たり、あっさりとカウンター席に通してもらえた。
(そのあとじゃんじゃんかかってくる電話を聞いていたら「きょうは21:30まで満席です」と言っていたので、めちゃくちゃラッキーだったと思う)
以前お邪魔したときはカウンターは立ち飲み形式だった気がするのだが、今回は普通に等間隔の椅子が置かれていた。立ち飲みも良いなと思っていたけれど、ゆっくり飲み食いできるのはありがたい。

このお店の特徴というか個性というか、は、とにかくマスターである。
お店はオープンになっていて、いちばん入り口に近い、外から見える場所にマスターがいる。お店に入る際の「何名様ですか?」みたいなやり取りも、基本的に全部マスターがやっている(予約電話もマスターが受けている)。文字通りお店の「顔」なのだ。
『豪放磊落』というのがぴったりの風貌と、一度見たら忘れられない笑顔。
このお店が大繁盛しているのも、母を惹きつけたのも、私に再来を誓わせたのも、このマスターありきと言っていいと思う。彼の作り出す空気が、アロスというお店を特別なものにしている。

もちろん他のスタッフさんもにこやかでキビキビしていて、とても気持ちが良い。
忙しい日だというのに、「おつまみちょこちょこ盛り合わせ」と「海の幸山の幸パエリア」をそれぞれ一人前だけ欲しい、というリクエストに快く応じてくださった。
ひとり飲みの最大のデメリットは「量が多くて食べられない」ことだから、これは本当に嬉しい!

おつまみ盛り合わせ。永遠につまめる美味しさ。トルティージャには鰻が入っていた、最高

生ビール(エーデルピルス)で暑気を払い、次はスペインだからカヴァでも…とメニューを見たところで、「チャコリ」という見慣れない文字に気づく。
バスク地方の微発砲ワイン、とのこと。
スタッフさんに「これ甘いですか?」と聞いたところ、にやりと笑って「辛口です」と言われたので、迷わず注文した。
高いところから勢いよく注いでくれる。こうすることで口当たりがよくなるのだそう。

チャコリ。この無骨なグラスが「地酒」って感じで好き

たしかに辛口で、すっきりしていてごくごく飲める!お料理にも合い、すごく美味しかった。

チャコリを2杯飲んだあと、テーブルワインの赤をグラスでもらう。良いお店はテーブルワインが美味しい。写真を撮り忘れたが、こちらはちゃんと大きなワイングラスで出てきた。

〆のパエリア。貝や海老だけじゃなくカニの身もたっぷり。そして茄子が無性に美味しかった

パエリアをぺろりと完食し、グラスワインも2杯飲んだところでお会計。

ひとりで飲み屋に入るのが実はあまり得意ではなく、余計な気を使ったり使われたりするぐらいなら部屋でゆっくり飲みたいと思ってしまうことも多いのだが、アロスは本当に美味しくて楽しくて幸せだった。写真を撮るとき以外スマホも見ず、ただただお酒とごはんに没頭していた。
金沢のパワースポットを堪能できて大満足!またあの空気を浴びにお邪魔したい。

MY THINGS by kiitos

ひとり飲みはペースが速くなるせいか、5杯でもかなり酔っ払っていた。
パエリアも食べたし、2軒目に行かなくてもいいやという気分。
ただ、時刻はまだ19時である。
とりあえずホテルに向かってぶらぶら歩こう、ついでに先日古くなったブラトップを捨てたからユニクロで買い足そう、と思い、香林坊の東急スクエアに入った。
ユニクロでブラトップを買い、韓国コスメショップでシートパックを買う。旅先で日用品を買ってしまう、私あるある。

韓国コスメショップの近くに雑貨屋さんがあり、なにげなく覗いたら奥にジェラートのケースが見えた。
ジェラート!!!
これだ。いま私が求めているのはお酒よりジェラート。

「能登しお」と「マンゴーソルベ」のダブルを注文する。おまけで別のフレーバーを一口分つけてくれるというので、いちごもお願いした。

優勝です

まだまだ暑い金沢の夜を、ジェラートを食べながら歩く幸せったらない。どのフレーバーも最高に美味しかった。

一応コンビニでレモンサワーも買ったものの結局飲まず、ホテルに帰り着いたとたん寝る。ざっくりした感触の部屋着も、美しく整えられたベッドも気持ち良すぎる…ホテルの醍醐味…(寝言)

2日目に続く。


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