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佐野徹夜「透明になれなかった僕たちのために」感想

両親が好きな人は、生まれてきたことに感謝している人であり、 両親が嫌いな人は、生まれてきたことに嫌悪感を抱いている人。そして何より生まれてきたくなかった人であろう。 これはそんな、生まれてきたくなかった人達による、両親やDNAへの愛と憎しみ、苦しみの物語だ。 主人公アリオは、「恋愛は性欲の詩的表現」だと考え、また「性欲が殺意に転じる」ことを恐れている。この物語には、性行為にて孕まれ、この世に生を受けた人物はほぼ描かれていない。いわゆる"愛の産物"が存在しなく、どこにも愛

    • BB小説家コミュニティ 6期初参加してみた!ROM専の感想

      投稿サイトで執筆戦士をされている先輩方が5期に参加されていたのを見ていて、いつかはこういうところに参加できるくらい執筆できるようになりたいな、と遠巻きに見ていたのですが、 あまりに口コミ評判がいいので我慢できず、思いきって初参加してみました。 職場が楽な部署に変わり、どうしても今しかまとまった執筆時間がとれなさそうなので、初めての長編執筆にこの夏は挑戦したい!と思っていたのです。 でも、残念ながら初心者すぎて何をすればいいのかサッパリ分からないので、 コミュニティの三か月の

      • 岩井俊二監督「ラストレター」感想

        ラストレター劇場で観ました。とても感動したのでLINEノベルで小説版を改めて読んでいます。 実体験を元に書いているらしいですけどどんな体験ですか。素敵すぎませんか…。 岩井俊二監督はもともと小説家志望だったというのは有名な話ですが、監督にも「美咲」のような、物語を綴りたくなるような衝動を起こす想い人がいたのでしょうか。 「Love Letter」のアンサー作品が公開される。 この情報を知ったのは「LoveLetter」を初めて観終え、岩井俊二監督のwikipediaを初

        • 大林宣彦監督との思い出

          20代で珍しいと思いますが、 私は大林宣彦監督の大ファンです。 余命3ヶ月と言われていたこと でも何年も粘り強くご存命なさったこと もう決して長くないこと 知っていたうえでのお亡くなりになられたニュースを聞きました。 悲しくて仕方ありませんが 公開予定日に亡くなったあたり、 カッコいい死に際だな、なんて思いました。 まだ新作のキネマの玉手箱は公開されていませんが、 一人の人生が終わったときに、 完結したwikipediaを見て、その日の日付が刻まれていると 私にはありふ

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