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『″月“の名曲特集〜スガ シカオvs Great Artists』後編 スガシカオ編

前回の記事の続きです。
“月“がタイトルや歌詞に登場する名曲、いよいよ今回はスガシカオ編です!

スガシカオさんと言えば「月」が登場する曲が多い、という印象なのだが、数えてみると思ったよりも少なく10数曲しかなかった。

それは、その1曲1曲が強いインパクトを与えたり、心に残る名曲である、という証拠なのだと思う。

ではでは、早速その“スガシカオ珠玉の月の名曲“を10曲、紹介させていただこうと思う。

″月″の名曲特集〜スガシカオ編〜

1曲目:黄金の月(アルバム『Clover』収録)

スガシカオの月の曲と言えば、やっぱりこの曲。
冒頭の「ぼくの情熱はいまや 流したはずの涙より冷たくなってしまった」から、終始歌われているのは“絶望″と“闇″。

そこから、空に月なんて浮かんでなくても、「ぼくにできるだけの光を集めて」夜空に光る黄金の月を描いてみせられたら。。という願いのような、誓いのような想い。

絶望の先に、必ずしも明るい未来は待っていない事を知ってて、それでも手を伸ばす。
それがスガシカオの音楽なんだよなぁ。
だからこそ、響くんだ。


2曲目:アシンメトリー(アルバム『SMILE』収録)

歌詞に男のズルさが凝縮されてるこの曲にも、“月“という言葉が登場する。

♪ 月のない夜をえらんで そっと秘密の話をしよう ぼくがうたがわしいのなら 君は何も言わなくていい♪

一見、凄く優しいラブソングに思える歌詞なんだけど、ずっとサビで「ぼくらの明日″なんて“」って歌ってるんだよなぁ。「ぼくらの明日は」ではなく。
この曲の中にずっと流れている″諦め“と″虚無感“が、いかにもスガさんらしくて好きです。


3曲目:8月のセレナーデ(アルバム『Sugarless』収録)

冒頭の「もしも君がいなくなってしまったら たとえばネコやイモムシになってしまったら」というフレーズが、ホントに衝撃的。
初聴きの時、「えっ?今イモムシって言った??マジ?」ってなりましたw

以前何かのインタビュー記事でスガさんが、「8月のセレナーデの歌詞が酷いって言われるけど、男なら誰でもこれぐらいの事思ってるよ」みたいな発言をされてたのだが、まぁ何ともリアルと言うかエグいと言うか(苦笑)。

さんざん″酷い本音“を吐き出しておいた後に、♪ねぇ だから今日は散歩に行こう 誰もいない夜の街 月の光で たいていのことは美しくみえるから・・・♪とか、もうロマンチックなのか皮肉なのか解らないズルい言葉でこの曲は終わる。

森俊之さんによる美しいピアノの調べと相まって、何度も何度もリピートしてしまう中毒性に満ちた曲だと言っていいだろう。


4曲目:おれ、やっぱ月に帰るわ(アルバム『THE LAST』収録)

「月に帰る」と言えば、もちろんお伽噺の『かぐや姫』を思い浮かべるんだけど、この曲の中でのそのコトバの意味は、「この世から自ら去る事」を意味するのだろう。

暗く、重い歌詞なんだけれど、そのサウンドは踊れるファンクロック。

これぞJAPANESE KING of FUNKスガシカオの真骨頂だと思う。


5曲目:sofa(アルバム『FUNKAHOLiC』収録)

“大好きだった人″が一緒に暮らしてた部屋から居なくなってしまった、その時の描写が生々しく描かれた、スガマニアの中でも人気の高いアルバム曲の1つ。

「雲がぼくから月の光さえ奪うと 自動販売機の切れかけた灯りだけが まぶたにぼうっと焼き付いて まるで夜光虫みたい・・・」

「窓から見える5つめの街灯 いつの間にか切れてしまったんだろう 君が抱えてた悲しみに灯りを ひとつくらい灯せたかな・・・」

この″黄金の一行″と言える2箇所が特に素晴らしく、忘れようとしていた「いつかの感情」を呼び戻されてしまい、聴く度に胸がザワザワする。
とんでもない名曲だと思っています。


6曲目:気まぐれ(アルバム『SMILE』収録)

普段、他人には見せないように隠してる、自分のイヤな部分や情けない部分。
スガさんの紡ぐコトバは、まるで鋭利な刃物のように、そこを容赦なくサクッと刺してくる。

“ダメダメだったあの頃の自分″に、そして“やらなきゃならない事から目を逸らしてる今の自分“に、この曲は怖いぐらい重なってしまうんだ。

「あと ちょっとだけ眠ったら ぼくら無傷で また明日にいける」

「めんどくさいから話し合いとかしないよ 壊してしまうほうが楽だし」

心の奥の何かがヒリヒリ痛むけど、また懲りずに聴いてしまうんだ。


7曲目:月とナイフ(アルバム『Clover』収録)

“スガシカオ=月″のイメージを作ったのは、前述の『黄金の月』。
そしておなじく衝撃の1stアルバム『Clover』に収録されている、この曲が双璧だろう。

スガさんの全ての楽曲の中でも、最も美しい別れ歌だと思う。

「ぼくの涙はいつか 月にとどくだろう」

こんな切なく美しい表現が他にあるだろうか。

美しいんだけど、痛くて。
痛いんだけど、リアルで。
リアルなんだけど、美しくて。

凄い曲だと思う。


8曲目:海賊と黒い海(アルバム『THE LAST』収録)

まだアルバム『THE LAST』の全貌が明らかになってなかった、2015年開催の『“THE LAST"~生ライブ視聴会』。

アルバム発売に先駆けて、ライブで先に新曲たちを披露してしまおうという画期的なイベントだったんだけど、この日開演前のSEで流れていたこの曲を聴いて、「えっ?これも新曲??・・・何ていい曲なんだ。。。」と衝撃を受けたのを、昨日の事のように覚えている。

「君とただ 人差し指でつながったまま」ってフレーズから、SNSを通じてスガさんと繋がってる我々ファンへのメッセージじゃないか。そうであったら嬉しいなぁと、当時からずっと思っています😊

「月も星もない海に浮かんで 全てをあきらめてしまう夜 君がこの手を離さずいてくれたら ぼくが必ず朝日を連れていくよ」

もう、、もう・・・ホントに優しすぎるんですけど‼︎(ノд<。)゜。


9曲目:Thank You(アルバム『SMILE』収録)

2000年代前半、スガさんは自身最大のスランプに陥り、歌詞もメロディーも何一つ浮かばなくなり、山籠りまでして自分と向き合い続けた。

Mr.Childrenの大名曲『HERO』のデモ音源を桜井さんから聴かされ衝撃を受けたスガさんは、見事にスランプから脱出し、名作だらけの『SMILE』というアルバムを作り上げてみせた。

そのアルバムの1曲目に収録されているのが、この曲。
自己中極まりない生々しい感情を、
狂気すら感じる純粋すぎる愛情を、
スガシカオ にしか作れない“メロディアスなFunk“にブチ込んだ最強SONG。

ちなみに歌詞に月が出て来るのは大サビ。

♪ 月が出てればいいけど 暗闇でもう迷うのはイヤだもの 海にうつった月の道 たどれば神に近づける♪

俺は、いつもこの部分で気持ち良すぎてトリップしそうになります✨✨


10曲目:国道4号線(アルバム『イノセント』収録)

スガシカオさんの最新アルバムである『イノセント』。
発売してから約2ヶ月、何度聴いたかもう数え切れないほどなんですが、それでもまだ聴く度に感動と興奮と高揚感の波が何度も押し寄せてくる名盤。
その中でもこの曲は、もう俺のココロの中の特別な位置を占めてしまっている名曲中の名曲。

最大級のキラーワードである″君は黄金の月だった″もそうなんだけど、その直後の
♪涙を流してる君に ぼくは何にもできずに いつしか細い三日月は 新月にもうなってた♪
というフレーズに、「あの日の自分」に一瞬でタイムスリップさせられ、もう大声で泣き叫びたくなってしまうような、そんな感情になってしまう。

そして、ラスサビでのあまりに美しく切ない願いのコトバと、スガさんの優しい歌声に、まるで全てを許してもらえたような、全て肯定してもらえたような、そんな気持ちになった。

スガさんは雑誌MUSICAのインタビューで、「この(曲の)濃さは、凄く今っぽくない」と発言されてて、それは恐らくその通りなんだろうなぁと思うんだけれど、正直に言わせてもらうと″今っぽい音楽ばかり流行ってる現状″に辟易してる自分が居るんだ。

だからスガさんが『イノセント』の中に、時代に抗うようなこんなエモーショナルソングを収録してくれた事が本当に嬉しかった。
凄く、凄く嬉しかったんだ😂

やっぱりスガシカオの世界観には月がよく似合う。
そう。曲に多く月が登場する、というだけではなく、彼の楽曲そのものがまるで夜空に光る月のように、暗闇に隠している心を赤裸々に照らし出してしまうんだ。

そして唯一無二の歌声が、その照らし出されたココロを、優しく抱きしめてくれる。

だから、スガシカオの音楽は響くんだ。


以上!『″月″の名曲特集〜スガシカオ編〜』をお届けしました。

如何でしたか?前編で紹介したGreat Artists編も含め、ほんと名曲ばっかりですよね✨

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊

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