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中畑こぼれ話  中畑区にある文化財


十二明神 鳥居を新しくした修祓式しゅうばつしき


中畑区には文化財がある。(旧中畑村は、少なくとも江戸時代から続く古い集落で、その領域は上野区、佐口区、うその口区まで広がっていた。)
故今井清さん(旧八千穂村農業協同組合長)は、『中畑部落文化財』と称した資料集を残した。
〔以下、その資料集を参考に2つの文化財について紹介します。〕

十二明神

国道141号『畑』の信号を入り、100mほど進むと小さな十字路がある。その右角に十二明神がある。
”十二明神の神様は何が祀ってあるかという問いに対し、過去明快な言い伝えはされていない。私なりに研究、考察を組み立ててみると、十二明神は天地十二の守護神のことと考えられる。”
と、故今井さんは結論付けた。もちろんこれは、個人的な見解であって、これが正解だとは言えない。ちなみに、”十二の守護神とは、一切の天龍鬼神星宿冥官べて世を護る十二の神。四方四維の八天に、上下の二天および日・月の二天を加えたもの。東に帝釈天東南火天、南に閻魔天西南羅刹天、西に水天、西北風天、北に多聞天毘沙門天)、東北大自在天、上に梵天、下に地天、および日天、月天の総称。”


虚空蔵こくぞう

虚空蔵庵は、国道141号『畑』の信号を入り、30mほど進む道の右側にひっそりと建っている。現在は、扉が閉められ、内部を見ることはできない。
”虚空蔵さんは、お産の仏様として、婦人に信仰されてきた。しかし、虚空蔵さんは5人の仏様を合体した仏様と言われ、知恵の神様として祀られる地域もある。”
と、故今井さんは書いていた。

 

虚空蔵さんと念仏講

”中畑に念仏講が出来たのは、1836年である。その後変遷を重ねて、現在に至っているが、この念仏講を中心に虚空蔵庵は暑い信仰の対象であった。毎年3月13日には、踊り屋台が出て、道端には屋台店も並び賑わった。踊り屋台で鳴らした太鼓は1845年に作られたもので、大正時代まで、子供たちに楽しまれてきた。”
〔資料集から抜粋〕

中畑と人の暮らし(集落の話の聴き手だより 第8号 2月発行 リンク貼る)で話を聴いた水上隆雄さんは、「子供の頃、3月13日は、青年団の人たちが虚空蔵庵の前で踊っていたのを覚えている。今でも、婦人会の人たちが毎年3月13日になると、お団子とお粥を作ってお供えをしてるよ。」と、教えてくれた。

文:西村 寛


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