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高岩こぼれ話

高岩には、歴史的史跡が2つある。1つは天狗岩である。現在の天狗岩の下には小海線が通っている。その昔、千曲川は天狗岩に突き当たるように激流が流れていた。道はなく、不便であった。そこで、岩の割れ目に杭を打ち込み、材木を渡して棚のような道を作った。これを棚橋と呼んだ。

天狗岩

もう1つは、『秩父困民党散華之地』碑が高岩に建てられている。秩父事件とは、1884年、明治17年11月、悪徳金貸や政府の悪政を批判し、貧民の救済を訴えておこした日本近代史上最大の農民蜂起のことである。明治17年11月、秩父困民党の残党がこの棚橋を渡り東馬流に陣をしいた。しかし11月9日、政府軍に攻撃を受け、壊滅した。秩父事件については、八千穂夏季大学実行委員会が編集した『秩父事件〈佐久戦争〉』(銀河書房)の中で詳しい内容が書かれてある。

「秩父困民党散華之地」と記された碑がひっそりと立っている

文・西村


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