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「佐久穂町の全集落を巡ってみた2DAYS 後編」

“さくほ集落の話の聴き手”新メンバーが、佐久穂町の集落を全てめぐってみました。いつも通るまちなかから、ディープな場所まで。その2日間の様子をお届けします。


2日目は温かい出会いからスタート

2日目の「さくほドライブめぐり」も、町役場から始まります。(前編はこちらからご覧ください)今日は千曲川よりも西側の、“川西”エリアを回ります。大字でいうと、“高野町”、“宿岩”、“上(区)”、“畑”、“八郡”、“千代里”です。

まずは、町役場から佐久穂I.C.方面へ向かう坂を上っていったところにある、まちを見渡せる絶景スポットから。いつも通る道も上から眺めると、とても新鮮です。この日はお天気がいまいちでしたが、晴れていると茂来山もきれいに見ることができます。メンバーで朝の気持ちいい空気を味わっていると、ご近所をお散歩中の女性とお会いしました。

「こんにちは。」と、みんなでご挨拶。すると、「これ、あげるわ。」と、四葉のクローバーのプレゼント。お話を伺うと、道の途中で見つけたとのこと。思いがけない素敵なプレゼントに、一同、温かい気持ちに。幸先良いスタートで、今日も良い旅になりそうです。

三本木からの眺め



ホタルの見える北沢川を通って

昨日に引き続き、普段はなかなか立ち寄らない、佐久穂のディープな道へ進みます。まちなかを抜けると、道も少しずつ細く。対向車とすれ違えない道に再びハラハラしつつも、周りの昔ながらのまちなみの美しさに、やっぱり目を奪われてしまいます。

道を進んでいくと、この時期、ホタルが見えるという小さな川を通りかかりました。自然の豊かな場所だからこその楽しみです。今の子どもたちも、ここでホタル観賞を楽しんでいるとのこと、その様子が目に浮かびます。さらに進むと、大量の猫に遭遇!生後まだまもない子猫も、ころころと道路で戯れている様子に、つい皆の顔もゆるみます。その横をゆっくり通り抜け、集落をめぐります。途中メンバーの家を通りかかったり、あれ、今の親戚のおじさんだ!というハプニング(?)もあったり。改めて、このまちとそこに住む人たちのつながりを感じます。

そうこうしているうちに、どんどん山へ分け入ります。風が涼しくなってきたと思ったら、標高は1200mほどまで上がっていました。周りは家が少なくなり、両サイド、鬱蒼とした木に囲まれた道へ。林道を通って、次の集落へと向かいます。



緑に囲まれた細い道と高原野菜 まちの色々な景色<松井区>

普段はあまり気にしていませんでしたが、集落に向かう道や、集落の入り口には、看板が立っています。その看板に書いてある地域の名前を見ていると、これらの由来は何だろう、と気になります。きっとそれぞれ、ここにいた昔の人たちが名づけ、呼んでいた名前なのでしょう。普段呼んでいる地名も、意味を知ることで、さらに親しみがわいてきます。

くねくね道を抜け、どんどん進んでいくと、高原野菜エリアに突入。白菜の収穫でしょうか、大きなコンテナを背負ったトラクターとすれ違います。農家の皆さんも、とても忙しそうです。邪魔にならないように、通過します。砂ぼこりを立てると農作物が汚れてしまうので、ここでのスピードはゆっくり。遠くまで続く畑と空の景色がとてもきれいです。

さて、旅も終わりに近づいてきました、最後の立ち寄りスポットは、佐口湖です!



冬はスケート場にもなった佐口湖

佐口湖は、1965 年(昭和 40 年)にスケート場が開かれた場所でもあります。冬の凍った湖面をリンクにして、佐久地方の多くの子どもたちがここでスケートを行っていたそうです。この地域の気候を生かしたこのような遊びは、温暖化の影響で今では難しくなっています。今は静かな景色が目の前に広がります。

2日間にかけての「さくほドライブめぐり」も、そろそろ終わりです。東西に長い佐久穂町を駆け巡りましたが、こうやって集落をめぐっていると、同じまちでも、標高も違えば、見える風景も異なり、持つ歴史もそれぞれだと、改めて実感します。今までここで暮らした人たちが見てきた景色や、作り上げた景色。ひとくくりにできない集落のそれらを、今年も1年かけて、少しずつ残していけたらと思います。

2年目の「集落の話の聴き手」プロジェクトでは、引き続き集落の方へのインタビューを通じて、昔ながらの集落の暮らしをお伝えしていきます。また、「馬と共にあった暮らし」、「方言」、「昔の写真」、「やらなくなった行事」のチームごとに、それぞれのテーマごとでの聴き取りも行っていく予定です。noteにもその記録を残していきますので、ぜひご覧ください。

昔の写真のアーカイブも進めています。(詳細はこちら)これは!というものがありましたら、ぜひお知らせください。お待ちしております!

文・写真 さくらいあさみ

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