読書感想文「生かさず、殺さず」
定期的にアウトプットをと思っていても、なかなか気づくと日常をこなすことで日々が消費されていく。。
ということで、久しぶりに読書感想文。
「生かさず、殺さず」久坂部羊 朝日新聞出版
【要約】
主人公は元外科医、現在は認知症病棟の医長。認知症病棟での出来事と元医師・現在作家の主人公友人とのやりとりの大きな2つの軸で展開される話。サスペンスなのであまり詳細書かないほうがよいと思うので本当端的ですが。
【感想】
読んでない方にはなかなか何言ってるか分からないかもしれませんが、完全に自己満足的な感想文です。
医療従事者である自分からしてもとてもリアルで、作者の感じている現代医療に対する日々の「このままでいいのか」感をとても強く感じた。まさに私も日々感じていたことが問題点として挙げられていて、やはりそうだよなーと自分の感覚に対して少し自信が持てた気がする。
私なりの解釈として、結局のところ作者の伝えたいことは「正しい医療とは」ということなのかな。
「生かさず、殺さず」。今までは「蛇の生殺し」的な意味合いで受け取っていたが、作中には「米が足りないと困るから不足のないように、余ると仕事に励まなくなるから余らないようにするのがいい」つまり「ほどよく治めるのが肝要」という意味合いであるとの解釈が記載されていた。
「ほどよい医療で、生かさず、殺さず」
作中の一文だが、これを読んで「中庸」という言葉が浮かんだ。
いま、私は仕事を続ける中で前述した「正しい医療とは」というのが大きな問いになっている。今回著書を読んで、答えを考える大きなきっかけになった気がする。
ただし、おそらく私は医療従事者だからしっくり読めた部分が多いと感じており、そうでない方が読んで、これをどう捉えるのか…とても気になる部分ではあります。
睡眠時間削って読んだ甲斐ありでした!
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