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【WSH】23年ドラフトまとめ

こんにちは。ハーパーです。MLBドラフトが開催され、ナショナルズは全体2位指名で目玉選手の1人であるディラン・クルーズ(OF)の指名に成功しました。
今回はクルーズ他、ナショナルズの指名した選手のレポート+所感をまとめていきたいと思います。

①ディラン・クルーズ(OF)

#2:Dylan Crews:ルイジアナ州立大
今ドラフトNo.1プレーヤーの呼び声高く、『ベースボールアメリカ』(以下BA)ドラフトリストでは1位にランクイン。ヒット&パワーいずれも65評価を受けており、ルイジアナ州立大では1年時から打率.362・18本塁打・OPS1.116と大活躍。今季も打率.426・18本塁打・OPS1.280とさらに進化を続けている。また、走守のツールも平均以上で、MLBでもCFを担えるとの見立て。

ナショナルズファンとしては、ブライス・ハーパーのようなスター選手になることが期待されます。大学3年間で58本塁打を放ったパワー面もさることながら、今季四球率20.6%/三振率13.4%とアプローチ面も素晴らしく、打撃能力の高さが光ります。トラッキングデータに注目すると、平均打球速度96マイルとパワーポテンシャルは十分ですし、チェイス率13.8%は異次元です。ハーパー(10年ドラフト⇒12年デビュー)やクリス・ブライアント(13年ドラフト⇒15年デビュー)を参考にすると、25年シーズンのMLB昇格を目指すことになるでしょうか?

②ヨハンディ・モラレス(3B)

#40:Yohandy Morales:マイアミ大
ドラフトリストBA26位、MLB公式20位。60評価のパワーが武器のスラッガー候補。今季は打率.408・20本塁打・OPS1.187と打ちまくった。しかし、大振りで遠回りなスイング&フリースインガーなアプローチ(四球率10.8%/三振率19.8%)からヒットツールに疑問の声も。守備は元々SSをやっていただけあり、運動能力&強肩を生かした3B守備はダイナミック。

クリス・クラインGM補佐は「我々のリストでは20位よりも良い順位につけていた」と話しているなど、かなり期待されているようです。それだけの選手を全体40位で指名できているので楽しみですね。上の動画は打球速度112マイルで、他にも動画を漁ると110マイル超えのホームランを量産しているようなので、パワー面は文句無しです。ヒットツールへの不安を払拭できるかがキャリアの分かれ目となりそうです。どことなくクリス・ブライアントっぽいスイングが好印象です。

③トラビス・シッコーラ(RHP)

#71:Travis Sykora:ラウンドロック高校
6フィート6の長身から最速101マイルの速球を投げ込む高卒右腕。球速だけでなくフラットな軌道で動きも富んでいるため、空振りが取れる。加えてスライダー&スプリットも空振りが奪えるキレの良い球種。しかし躍動感のある全力投球スタイルで、コントロールの不安定さが課題。また19歳と高卒投手ながらやや歳を食っている。

BA36位、公式40位という1巡目クラスの高卒大型右腕であり、非常にロマンがあります。5-10巡目は契約金節約のため全てカレッジシニアの選手を指名しており、シッコーラとの契約に全力を注いでいることが伺えます。投球フォーム的にもリリーフ転向のリスクもありそうですが、エース級のポテンシャルがありそうですし、今後の成長に期待したいです。巨漢高卒投手という点で、ルーカス・ジオリトのように育成できればいいですね。

④アンドリュー・ピンクニー(OF)

#102:Andrew Pinckney:アラバマ大
5ツールポテンシャル。アプローチが荒く、三振率23.7%とヒットツールに疑問も、それ以外の4ツールは平均以上の評価とツール良し。大学では年々打撃成績を伸ばし、3年の今季は打率.339・18本塁打・OPS1.090と完全にブレーク。大学ではRF中心にプレーも、CFを担える守備力を備える。

ドアスイング気味なスイングも含めて、今季大ブレーク中のレーン・トーマスを連想させます。ヒットツールの荒さが懸念事項ですが、昨年までのトーマスのような選手(低打率で本塁打量産、守備はCF中心に3ポジション)になってくれれば、十分戦力になるでしょう。

⑤マーカス・ブラウン(SS)

#138:Marcus Brown:オクラホマ州立大
打撃力に課題があるプラスのSSディフェンダー。昨季は2年生ながら打率.314・4本塁打・OPS.820と結果を出したが、ドラフトイヤーの今季は足踏み。打率.273・9本塁打・OPS.828とドラフト選手としては物足りない数字に終わった。また平均打球速度82マイル、今季四球率5.7%と打撃内容も良くない。

ドラフトイヤーに評価を落とした上にパワーレスや四球の少なさがかなり気になりますが、そもそも球団のプロスペクトランキングにアーマンド・クルーズ(19歳)しかSSがいないので、デプスを補充できたと思えばそれだけで十分だと思います。打撃を復活できれば内野ユーティリティーの一角を担えるかもしれません。

6~10巡目

⑥ギャビン・デュガス(2B):ルイジアナ州立大
⑦ライアン・スネル(C):ラマー大
⑧ジャレッド・シンプソン(LHP):アイオワ大
⑨トーマス・シュルツ(RHP):バンダービルト大
⑩フィリップ・グレイサー(SS):インディアナ大

6~10巡目はいずれもカレッジシニアの選手となっており、3巡指名のシッコーラと契約するための動きとなっています。7巡目のスネルは打率.317・17本塁打の活躍でバスター・ポージー賞(大学生捕手MVP)の最終候補。8巡目のシンプソンは今季防御率6.54ながらK%=31.5%と光るものがあります。

11~20巡目

⑪ギャビン・アダムス(RHP):インディアンリバー州立短大
⑫トラビス・スティル(RHP):テキサス大
⑬リアム・サリバン(LHP):ジョージア大
⑭イライジャ・ヌネス(OF):テキサスクリスチャン大
⑮ミッキー・テッパー(RHP):リバティ大
⑯オースティン・アマラル(RHP):ステットソン大
⑰メリック・バルド(RHP):ロヨラ・メリーマウント大
⑱ネイト・ロムバック(C):ダラスバプテスト大
⑲ジェームズ・エルワンガー(RHP):マグノリア西高校
⑳アイザック・アイオン(RHP):オレゴン大

6~10巡目と比べると、気になる選手が多いです。13巡のサリバンはカレッジジュニアの先発投手で、球威に欠けますが緩急が武器のイニングイーター候補。BAでは実際の指名順よりも100位近く高評価の278位の選手です。また19巡のエルワンガーはBA173位、公式107位の高卒投手です。大学進学の可能性が高いでしょうが、もし入団となれば楽しみな選手です。

総評

クルーズ(BA1位)、モラレス(26位)、シッコーラ(36位)と1巡目クラスの選手を3名も指名できたのが良かったです。中途半端なことをするよりも上位指名権を十分に生かしたドラフトとなりました。一方で、6~10巡目は全員カレッジシニアの選手となっており、3巡目の高卒右腕シッコーラと契約するために契約金を節約したい意図が伺えます。シッコーラと無事に契約できるかどうかがドラフトの評価を分けそうです。高卒選手はシッコーラと19巡目のエルワンガー(多分大学進学)だけで、上位3指名に全振りしたような印象です。クルーズは手堅いでしょうが、モラレス&シッコーラは失敗リスクも高そうな選手なので、トータルとしてどうなるかは分からないところ。とはいえ、3人ともシーリングの高い選手ですから、今後の動向に注目したいと思います。

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Photo:https://twitter.com/MLBDraft/status/1678181960940675083


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