どれくらいの量の食事をあげたらいいんですか?
2019年7月
こんばんは。
困っている人を助ける仕事の最終目標は、その仕事がこの世から消滅することだと思っている佐久川です。困っている人いますかー?いなかったらもう管理栄養士やめます!
さて、保育園や保護者の方からたまにある質問として
「子どもにどれくらいの食事をあげたらいいんですか?」
というものがあります。
実はこれ、けっこう難しいです。
子どもだけじゃなくて、大人でも「その人が必要なエネルギー(カロリー)量」を把握するのは難しいんですね。
「あの人、私と同じくらい食べているのに全然太っていない・・」って感じたことはありませんか?そう、同じ量食べているのに太る人もいれば痩せる人もいます。個人差があるんですね。
食事摂取基準2015では次の通り記述されています。
「2─2.エネルギー必要量の個人間差
性、年齢、体重、身長、身体活動レベルが同じ集団におけるエネルギー必要量の個人間差は、実験上の変動(二重標識水法の測定誤差など)も考慮した場合、19 歳以上でBMI が 18.5 kg/m2 以上かつ 25.0 kg/m2 未満の集団で、標準偏差として男性が 199 kcal/日、女性が 162 kcal/日と報告されている 34)。これは BMI が 25.0 kg/m2 以上の集団でもほぼ同じ値であった 34)。また、3~18 歳では、対象者を BMI が 85 パーセンタイル値以内に含まれる対象者に限ると、男児が 58 kcal/日、女児が 68 kcal/日と報告されている 34)。エネルギー必要量の分布を正規分布と仮定すると、例えば成人男性の場合、真のエネルギー必要量が推定エネルギー必要量±200 kcal/日(幅として 400 kcal/日)の中に存在する人は全体の 7 割程度に留まり、残りの 3 割の人のエネルギー必要量はそれよりも多いか又は少ないと推定される。
これは、エネルギー必要量の個人間差の大きさを示していると理解される。」
つまり、成人男性で1日に必要なエネルギーは400kcalの差があっても普通で、3人に1人はそれ以上に少ない場合や多い場合がありますよーってことです。
400kcalって言ったら大盛ご飯1杯分くらいですかね、しかも体重、身長、身体活動レベルが同じ集団においてこれだけの差なので、身長差、体重差も考えると、隣の人と同じ必要エネルギーであることの方が稀かもしれませんね。
↓参考表として性別、年代別、身体活動レベル別で出してあるが、個人差は大きいのでこれに当てはまらない人は多い。
こどもの場合も同じで、「これだけ食べさせれば良い」をすぐ導き出すのは難しいんです。保育園においても同じ量を食べられる子もいれば食べられない子もいるのがあたりまえの事なのです。
保育園で作っている量は各年代のエネルギー必要量の平均値と食べる人数から導きだされています。前述のことから、この出来上がり量を均等に割って盛り付けるのはお勧めしません。「食べられない子」と「足りない子」が出てくることが予想されるからです。
お勧めは「食べられる量(若干少なめ)を盛り付けて、もっと食べられる子はおかわりを用意して対応する」です。必要量が満遍なく行き届くかと思います。
さて今回はエネルギー必要量の個人差が大きいというお話でした、前回は摂取エネルギー量を把握するのは難しいというお話をしました。
難しいことだらけです。
えっ?じゃあ必要な栄養が摂れてるかどうか心配じゃない?
「痩せたい人はどうしたら良いの?(前回)」に答えてくれるんじゃなかったの?
摂取エネルギー量もエネルギー必要量も正確に把握する必要はなくて〇〇を評価するんです。(ちょっと引っ張りぎみ)
次回詳しく報告しまーす!
保育園給食~鮭のちゃんちゃん焼き~
<約4人前>
サケ・・・・・・4切れ
キャベツ・・・・1/4個
人参・・・・・・1/2個
ぶなしめじ・・・・1袋
バター・・・・・・10g
Aみそ・・・・・大さじ2
Aみりん・・・・大さじ1
A砂糖・・・・・大さじ1
A酒・・・・・・大さじ1
Aしょうゆ・・・小さじ1
塩・・・・・・・・少々
こしょう・・・・・少々
サラダ油・・・・・適量
❶サケに塩こしょうで下味をつけて、フライパンを熱し、サラダ油を入れて両面を焼き、一度取り出す。
❷同じフライパンに野菜を入れて炒める。
❸野菜がしんなりしてきたらバターと①、混ぜ合わせて置いたAを入れて弱火~中火で煮詰める
➍お皿に盛り付けて完成
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