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【短歌】まりんすのう
あたらしき建造物のなかに措く実験動物用のふくろの
「こんなもの研究室に措くんですか」 業者ふたりが知り得ることの
コンビニにつま先の向くときに ふ とためらひがちによぎる ふ くろの
風に舞ふびにいる あれはいつの日かライブハウスでみたマリンスノウ
地上にもふるのだらうかまりんすのう地下のステージには降るけれど
マリンスノウひとつぶずつを見しをれば其れはいくつもの泡のあつまり
ダンサーは客のあひだをすりぬけてゆくもがくやうにもがくやうに
午後に雨は止んだ
はげしき頭痛にめざむいつのまに去りてしまひき雨雲ダンサー
目を花に埋めた人の荷降ろしをつくづくと見る 一度きりの
新築はふたまはりほどちひさくて廊下がひろく造られてをり
二兎会(https://www.instagram.com/nitokai210/)の会誌に掲載した連作です。とある大学の移設に際し、引っ越しのアルバイトしたときの経験をもとに詠みました。
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