序章

序章:ものづくりは技術が8割

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世の中の多くの人に面白いと言われるものを作れる人たちがいます。その人たちを見て、つい「さすが凡人とはセンスが違う」と思ってしまうかもしれません。昔の僕もそうでした。

しかし、編集を仕事として始めてから約15年が経ちますが、「面白いものを作れる人」ほど、センスを当てにしていない。自分なりのしっかりとした「理論」を持って、「面白さの再現性を高めている」人ばかりです。

プロとはたまのホームランを打てる人ではなく、着実にヒットを積み重ねられる人のこと。たまのホームランは素人でも打てるかもしれませんが、着実にヒットを積み重ねるためには、そのための技術が不可欠です。

少し自分の話をします。

いまでこそ編集長として、クリエイティブを統括する立場にあるものの、この仕事を始める前、僕にはセンスのかけらもありませんでした。通っていた芸術系の大学では、先輩や同期はおろか、後輩たちにも追い越されまくり。自分のセンスのなさに本気で落ち込んだものです。

ただ、どうにかこうにか仕事を続ける中で、ヒットするコンテンツには法則のようなものがあるのでは…という思いを抱くようになりました。

センスでは勝てないと悟った僕は、ヒットコンテンツの地道な分析と、体系化に徹底してこだわりました。そしてその方法論を技術化し、磨き続けることで、ある程度の打率でヒットが打てるようになってきた。

いまではその技術をメンバーに伝え、チームでヒットコンテンツを作れるように毎日腐心しています。もちろんハズレも数多くありますが、まったくクリエイティブ経験のなかった新人アルバイトでも、コンスタントにヒットを出せるようになってきています。

これを身近な人だけに留めておくにはもったいない。凡人だった僕でもマシに戦えるようになった技術を、より多くの人にお伝えしたい。そうすれば世の中もっと面白くなるかもしれない。そう思って、筆を執ってみることにしました。

クリエイティブの世界を目指す若い世代に、ほんの少しでも勇気を与えられれば幸いです。

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凡人だった僕が編集者になって15年で培った「天才じゃなくても戦える編集技術」をまとめていきます。徐々に追記していきますが(遅筆すいません)…

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