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複雑な香りと旨味の味わい深いチーズ フロマージュドみらさか

こんにちは、フランスチーズ鑑評騎士の佐久間です。
今回は広島県の三良坂フロマージュさんのフロマージュドみらさかをご紹介します。
牛乳製の白カビチーズを柏の葉で包んで熟成させたチーズです。
しっかりした熟成香と柏の葉の爽やかな香りのハーモニーとカラスミや古漬けのような深い旨味が特徴の味わい深いチーズです。

このチーズの生産者:三良坂フロマージュさん

このチーズを作られている広島県の三良坂フロマージュさんは山の傾斜を利用した牧草地に放牧して飼育する、山地酪農を実践されている牧場さんです。
完全放牧なので牧草だけを食べて育ったグラスフェッドの牛やヤギのミルクを使った、味わい深いチーズを製造されています。

チーズの特徴①:柏の葉の爽やかな香りと熟成香のコントラストが最高

柏の葉に包まれているのが特徴的なこのチーズ。
包んでいる柏の葉を開いていくと、柏の葉のすっきりとした緑の香りが!

中のチーズはよく熟成されていて白カビはだいぶ後退して、アイボリーカラーの地肌が見えています。
漬物のような塩辛も思わせる旨味を感じる熟成香がします。
柏の葉の爽やかな香りもしっかりと写っていて、複雑で香り高いチーズになっています。

チーズの特徴②:旨味とコクを感じる豊かな味わい

口に入れると、しっかりした塩味と旨味が一気に広がり、旨味の洪水が起こります!
複雑な香りも相まって、味わいの深さが本当にすごい!!
少量ずつゆっくり味わっていかないと、味覚と嗅覚がオーバーフローしてしまうんじゃないかというほどの味わい深さ。
ここに柏の葉の爽やかな香りがよく効いていて、ミルクの香りや甘みを引き出してくれ、ミルキーな雰囲気のとても心地よい余韻に。
時間とともに味わいや香りが次々と移っていく感覚は本当に楽しいです。

チーズの特徴③:ねっとりした食感なのにスッと流れていく口溶け

食感はねっとりとしていて、深いコクを作り出しているのですが、グラスフェッドミルクのために口溶けがとても良くびっくり!
口に少し張り付く感覚があるのですが、味わっていくうちにスッと溶けていってくれます。
食後感もあのインパクトのある複雑な味わいからは想像もできないほど軽く、食べていく先から吸収されていくような、不思議な感覚になります。
三良坂フロマージュさんのチーズはこの食べた先から吸収される感覚のあるチーズがたくさんあるので、ぜひ体験していただきたいです!

ドリンクペアリング

<日本茶>
渋みの少しあるお茶と合わせると、旨味とコク、香りが更にしっかりと感じられて、旨味の洪水を体験できます。
爽やかな香りと、すっきりした味わいのお茶と合わせると、ミルクの雰囲気や甘みをより楽しめます。

<紅茶>
熟成の香りが少し気になる方は、優しく華やかな香りのニルギリと合わせると食べやすくなると思います。
スモーキーな香りのラプサンスーチョンと合わせると、より複雑で強い旨味を楽しむことができます!

<コーヒー>
酸味の少しあるフルーティなコーヒーと合わせると、柏の葉の爽やかな香りとミルクの甘さが引き立って、爽やかな雰囲気で楽しむことができます。

チーズと各種ドリンクの組み合わせ。チーズのレビューやチーズ工房さんをめぐり情報提供をさせていただいています。 情報収集や研究をサポートいただけると大変嬉しいです。