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愛でアルスべて

タオル曲って分かりますか?ライブでアーティストが「一緒にタオル回してー!」と言ってくれてぶんぶん回して盛り上がれる、そういう曲のこと。どのアーティストにもあるだろうけど、アルスマグナにもあって、ライブのラストがタオル曲→〆曲(便宜上こう書くけどそんな呼び方はしないです)、という2曲の構成になっているのが定番だ。アルスマグナの曲はアキラくんひとりが歌っていることが多い中で、最後の2曲はメンバーみんなで歌うのも特徴。さて、この定番曲が2017年に新しくリニューアルされたんだよっていう話をしたい。個人的解釈としてはタオル曲が今のアルスマグナを歌っていて、〆曲がアルスマグナの未来を示す曲なのだろうなんて思っている。つまり、曲が変わったと言うことはアルスマグナが1歩進んだということなのかなって。

旧タオル曲「ボクはつづく」

これはゲームじゃないんだ
映画じゃないんだ
結末なんて誰も知らないの
カッコ悪くて 儚くて
心で笑えるその日まで
ボクはつづく

フィクションを背負いながらもストーリーテラーなんていないアルスマグナはまさに「結末」が分からないグループだ。ゲームのキャラクターか何かなの?どこを目指してるの?と風当たりが強い中で、アルスマグナがこうやって歌って踊ってつづいていくことが僕らのストーリーなんだよってちゃんと伝わらないのはひどくもどかしかった。

ここはスタートじゃないんだ
ゴールじゃないんだ
何のために涙流してきたの

そのストーリーはフィクションじゃないから、メジャーデビューしたら終わりってわけでもメジャーデビューから物語がはじまるわけでもないんだよね。武道館を目指して、武道館公演して、はいエンディングってわけにはいかない。

ゲームじゃないんだ
映画じゃないんだ
結末は自分自身で作らなきゃ
半ベソかいて 失敗して
それでいいんだ 終わらせない
ボクはつづく

そう、「結末」は自分自身で作るもの。ここまでお客さんがいないとか仕事がないとかつらいことがあって、メジャーデビューにこぎつけたってコスプレって……と世間からの目は冷たくてレーベルの移籍なんかもあって、でもそれすらも、終わらせないでつづけていけばいつか振り返ったときに物語になるよねきっと、と歌っていたのがこのころのアルスマグナ。

旧〆曲「High Five~typeA.R.S~」

BUZZラセロ!情熱よ響け
もう戻れない もう逃げれない
汗も涙も無駄じゃない

バズらせろ!=流行らせろ!ということ。ボクがつづいて目指すのは、そりゃ名前を売ってとにかくどんどんファンを増やすことで。メジャーデビューしてもう戻れない怖さはあるけれど、努力が無駄じゃないなんて無敵な響き。

誰に何言われたって
そんなのは関係ない

アルスマグナがこう言えるのは、やっぱり固定ファンが一定数ついたという自信かななんて思った。憂鬱な夜を越えて、と歌われるその時期は本当にファンがいなかったから。そして、バラバラだったピースを拾ってっていうのはたぶんバラバラだった5人の話で、それはもう昔の話。

そうさキメてやろうぜHigh Five!
Let's Fight it Fight it Out!!!

5人で力を合わせて、とにかくなんでもやって、芸能界という場所で戦っていこうという意志を感じる曲だった。

新タオル曲「Eureka moment」

オドロキモット モモノキモット
発見よキラメけ
めんどくさがっちゃ始まんない
君とぼくを繋げるマテリアル
好奇心モット ウソマジホント
愛であるすべてへ
今日を昨日よりちょっとよくするための
さあEureka moment

シングルだしてリリイベやって、ツアーやってDVD出して、たまにテレビとかに映れて有名人と共演して……そんなサイクルが当たり前になってきた中で、ただ明るい未来を漠然と目指してつづいてくわけにはいかないことに気付いてしまった。エウレカモメントは一瞬のひらめきという意味らしくて、そうやって日々の活動ひとつひとつをキラめいてちょっとずつ積み重ねていくしかないということ。

もうこれ以上嫌いたくない
ぼくの存在を
涙は枯らしたくない
ぼくが人間でいられるマテリアル
君がいなくて胸が痛くて
愛である証へ
今日でぼくはまたひとつ気付けたよ

何年もやってればファンだって増えるばかりじゃなくて、お別れもあって。だけどその分それが愛だったと実感することもあって。

「ビクビク」じゃ失敗しか見えないよ
「ドキドキ」さらに「ワクワク」に進化できた者勝ち

やりたいことを思い通りにできるわけじゃ絶対ないけど、何かを目指すその過程を存分に楽しんでいるのが、今のアルスマグナなのかなあ、と思う。

新〆曲「果てなき道」

大切な君の
うれしそうな顔は
代わり映えのない日々がくれたこの光

そんでもってある程度バズった後の代わり映えのない日々、を正直に歌うこの曲は、すごい。

この手は震えていた
この手を必死に抑えた
ちっぽけと呼ばれたプライドの向こう
答えはあると信じて今日も歩く
譲れないものが
守りたいものが
何かもわからずススム

周りに何を言われようが関係ない!なんてやっぱり仕事じゃそういうわけにいかないし、悲しいことも怒りもあって、アルスマグナが目指すものって、アルスマグナって何だっけってところまで分からなくなることもある。結局ダンス以外の仕事が増えたり、CDの売り上げばかりが目についたり。厳しい芸能界で、やっぱり思ったほどどんどん上に行くことなんてできなかったこの2年。

後ろ振り返って 冷静に今を見る
良いときにあって悪いときになかったものは何?

ポンポンとうまくいくときもあれば、期待はずれでどうしようもないときもある。この疑問の答えがメイトの存在、だったらいいな。ただ人数ってことじゃなくて、ファンとアーティストが寄り添って一緒になれたとき、わたしたちはきっと強い。

果てなき道をススメ
せっかく手にした命とチャンス
そうだろ?生きよう
果てなき夢をツカメ
時に立ち止まり悩みながら
僕は未来に向かう

知名度、ファン、実績、ここまで獲得したものたちにアルスマグナは生かされている。有名になりたいと言ったって、どこまで行くことが有名になるということなのか、上には上がいて果てがない。目標を設定してそれを乗り越えるような単純なものじゃないことが分かってきた上で、せっかくのチャンスだろ?、だから生きようと言い切る。あまりにもかっこいい。いつもここで泣きそうになってしまう。だってさ、アルスマグナのアキラと奏と朴とタツキと先生はアルスマグナとして生きることをやめたら本当に存在し得なくなってしまうんだもん。

果てなき道の向こうで何かが分かる
そう信じて歩いていく 光を目指し
家族や仲間たち 築き上げてきた経験と情熱は
大丈夫だよとぼくに勇気をくれた
どこまでも続く道はきっと涙も笑いもあるさ
そうだよ 行こう
果てなき夢をツカメ
だって自分で決めたことだろ?
今を未来に繋ごう

たくさんの人たちがアルスマグナに関わって、クロノス学園の世界で家族や仲間になってくれた。炎上したりバラエティーやったり色々な経験もした。メジャーデビューしたからって、いやしたからこそ、終わりはいつ訪れるか分からない。道は果てしないくせに、1歩間違えたら終わってしまう怖い世界で、今を未来に繋ぐことがどれだけ大変か知ってこう歌う。アルスマグナがつづいてくれることがメイトにとってどれだけ嬉しいか!自分で決めたことだろ?に覚悟があるから、これからもついていけます。大好きだよ。

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