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9/28 学生デモとコインランドリーのおじさん

ここ最近、とてつもなく眠い。朝起きて仕事を始めるが、昼には眠くて仕事どころではなくなる。その日にやるべきことだけなんとか済ませると、昼寝に入ってしまう。

今日ちょうどNetflixオリジナルの「セックスエデュケーション」を見ていると、"Power nap"という単語が出てきた。仕事の合間に取る仮眠のことで、睡眠不足を補ってくれるそうだ。10〜20分の仮眠をとると効果的だが、それ以上眠ってしまうと逆に疲労が蓄積するらしい。私は1時間くらい寝てしまっているので、なるほど体がだるいわけです。

気怠い気持ちに負けそうになりながらも、溜まっていた洗濯をしにコインランドリーに出かけることにした。ついでにベッドシーツも洗ってしまおうと大荷物で出かける。

コインランドリーの両替機が壊れていたので、近くのスーパーでほしくもないチョコレートを買う羽目になり、寝起きの頭でイライラしながらも洗濯を開始した(今これを書きながら、チョコレートの存在を思い出して嬉しくなっている)。洗濯完了まで時間があるので、近くのカフェでパソコン作業をすることに。

このカフェは大きな公園の近くにあった。作業をしていると公園の向こうの方から若者の声が聞こえてくる。デモか何かをやっているようだ。コインランドリーに戻るついでに声のする方に行ってみると、学生たちがお手製のプラカードを持って何かを主張しながら長い列を作って歩いている。

その時は、プラカードに書かれた言葉がわからなかったが、写真と動画を撮っており、後で友達に見せると家賃の高騰を緩和するよう政府に求めるためのデモだと教えてくれた。家賃高騰の問題については知っていたが、学生たちの生活を圧迫している深刻な問題であることに改めて気付かされる。政府は責任逃れをしており、本質的な問題解決に踏み込む代わりに、23歳以下へのトラベルカードのディスカウントなどの施策を行なっており、「本当の問題は家賃高騰だ」と主張している。

私はデモを見ると、泣きそうになることがある。怖いからではない。権力の抵抗や怒りのパワーを目の当たりにすると、心が揺さぶられるのだ。きっと私は前世で不当な扱いを受けて死んだのか、もしくは革命運動に参加して死んだのかもしれない、と考えたりする。前世なんて本当にあるのかどうかもわからないけど。

そうこうしていると、洗濯機を回してから1時間以上が経っていた。足早にコインランドリーに戻ると私の洗濯物がなくなっている!一瞬焦ったが、乾燥機に入れてあるのを見つけた。近くにおじさん(英語からしてアメリカ人?)がいたので、「私の洗濯物、乾燥機に入れちゃってくれた感じスか?」と聞くと「洗濯機使いたかったから移動させた、ごめんよ」と言われた。結局別の洗濯機が使われてたけど。

私がコインランドリーに戻るのが遅くなってしまったので、申し訳ない気持ちと、いやパンツとか触られるのはちょっと嫌だなという気持ちと、でも移動させる手間が省けて嬉しいありがとうの気持ちで、「サンキュー」と言った私は変な表情を浮かべていただことだろう。

乾燥機が終わるのを待っていると先ほどのおじさんが話しかけてきた。「この辺でおすすめのレストランある?」。「任せろ!」と思ってお気に入りの美味しいチキンのレストランを教えた。ちょっと警戒したものの、結局、レストランを聞きたいだけの気さくなおじさんだったから良かった。

大学生時代、知らないお兄さんに道を聞かれて、同じく「任せろ」と思って教えたら、そのまま河原で1時間弱、マンションをいくつ持ってるだの、プロのテニスプレイヤーのコーチをしてるだの、自慢話を聞かされる羽目になったことがある。「誰にも言えない秘密はある?」と初対面の私に聞いてきたあのお兄さん、一体何者だったのだろう。私は人への警戒心が薄いところがある。

約2時間の洗濯業務を終え、家に帰って、セックスエデュケーションの続きを見たらまた眠ってしまっていた。明日は金曜日。もうすぐ9月が終わってしまう。時の流れの速さに驚いている。

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