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8/16 X、キミとはもうやってられへんわ

1日に何回、X(旧ツイッター)を開いているのだろう。起き抜けにベッドの上で、仕事の息抜きに、電車の中で、そして寝る前に、、、。スクロールして更新すれば、無限かのようにありとあるゆる投稿が流れてくる。

芸能人のスキャンダラスな情報・写真から、一般人の迷惑行為、明らかに障害がある人を面白おかしく揶揄った動画。こうした投稿は非常に低俗であるが、それゆえに人々の興味を引くので、複数のバズりを狙ったアカウントによって投稿される。

先日、大阪で開催されたフェスで、韓国人の女性DJが観客に胸を触られるなどの性被害を受けたという投稿が、X上で話題になった。私のタイムラインに流れてくるのは、「人のプライベートゾーンを勝手に触ることがダメなこととなぜわからないのか」「どんな服を着ていようと、性暴力が肯定されていいわけない」という真っ当な意見だけではなかった。


「露出度の高い服を着てるから悪い」

「目の前におっぱいがあったら触るだろ」

「日本以外の国でも触られてるじゃないか」

「炎上商法」

「コイツは反日だ」

目を疑った。言葉を選ばずその時の気持ちを表すと「コイツらまじで狂ってんのか?」って腹が立った。恥ずかしくないんだろうか、堂々とこういうこと言っちゃう人たちは。

露出度の高い服を着ていても、人のプライベートゾーンを勝手に触ってはいけない。

どこの国で起こっていても、性暴力は許されないことである。日本以外でもあったかどうかが問題ではない。

そして今回のことに限らず、日本では日常的に多くの女性が痴漢被害を受けている。

今回の件について、炎上商法だの、アイツは反日だだのいってるやつらには本当に呆れる。

こういうこと言う人たちって何を守ろうとしてるんだろう。勝手に日本の男性の代表になった気になって、守ろうとしているのは彼らのプライドか?評判か?真っ当な成熟した日本の男性は、そんなやつらに代表して叫ばれちゃ困るって思ってると思うよ。

むしろ、日本で性暴力の問題がいかに軽く扱われ、しかもその原因が往々にして被害者に向けられるという悲しくて情けない事実を露呈している。

こういうことを言う人たちがいるから、性暴力を受けた人の声が潰されていくんだ、心が殺されていくんだというのがよくわかる。こんなにも多くの人が、被害者にして心無いことを言えたり、悪意を向けたりできるのだというのが、とても悲しく、怖くなった。

リアルを生きているとこうした意見に触れることが少ない。道ゆく人や職場の人、電車で隣の席になった人は皆、倫理観や道徳心を備えているふつうの人間に見える。しかし、Xをやっていると、人間の心の中にあるヘイトも悪意も弱者への嘲笑も全部見えてしまう。

この怒りや悲しみをエネルギーに換えて、どうこの社会を、人々の意識を変えられるのかって考えていけるといいのだか、やっぱり時々心が疲れる。もうXのアカウントなんて消しちゃおうか、という気にもなる。X、キミとはもうやってられへんわ。

しかし、Xにいる人たちによってエンパワメントされることだってある。社会を変えようと動いている人、同じようなことで悩みながらも強く楽しく生きている人がいるという事実も、Xを通して知ることができる。だから、やめられない(そしてかわいい動物の動画やバチェラーの感想を見るのためにも)。


X、もう少し辛抱したるわ。

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