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7/31 ハレルヤが響き渡る午前10時

明日8月1日から6日まで、リスボンではWorld Youth Dayが開催される。先週、「来週はWorld Youth Dayだから外出しない方が良い」というツイートを見かけた。「なんなんだ、わーるどゆーすでい。何が起こるってんだい、わーるどゆーすでい??!」外出自粛とは何事ぞと少しびびっていた。

World Youth Dayとは、青年カトリック信者の年次集会のことで、1984年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱で始まったらしい(ウィキより)。100万人〜150万人の若者が、ここリスボンに訪れる。そしてローマ教皇もポルトガルを訪問するみたいだ。そういえば、ポープが来るってみんな言ってたな。

よく街を観察してみると、バスのラッピングにローマ教皇の写真が載っていたり、ローマ教皇グッズやローマ教皇の顔がプリントされたお菓子が売られ始めたりといったここ数日の変化に気づく。この1週間のイベントに向けて多くの費用が費やされていることがわかる。ネットでちょろっと調べると、このイベントのために500万ユーロ(約7億円)超の大金が使われるらしい。

方や、この日のために日常生活を奪われる人たちも存在している。何週間か前、たまたま中華屋に入った時についていたテレビで、教皇の訪問に合わせてホームレスのテントが政府によって強制的に撤退されているというニュースを見た。ちょうど写っていたのが私が以前住んでいたアパートのエントランス。ついこの間までご近所さんだった人たちのテントが、無理やり回収されていく様子をテレビ越しに見ることになってしまった。

なんだかやるせない気持ちになっていたのだが、「見かけだけよくして、都合の悪いものを見えないようにするのは政府のよくやることだ。隠したって、彼らは実際に存在しているのにね。」とルームメイトと話し合い、同じ気持ちの人が近くにいることで私の気持ちは救われた。でもホームレスは救われない。

前日の今日は、家の向かいにある公園で朝から「ハレルヤ」が響き渡っていた。「ハレル〜ヤ ハレル〜ヤ」かなり長い時間、マイク越しに歌っているので日本だと通報されそうだ。

ホームレスの件でのモヤモヤや街の混雑の懸念もあるが、住んでいる街でカトリック信者の大きなイベントが開催されるなんて珍しい機会だし、何が起こるのか少し楽しみでもあったりする。そして家に引きこもる口実としても使わせていただこう。


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