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美味しさを決めるのは味と香りと見た目だけじゃなくて
味と香り、それから見た目は美味しさの3大要素。
だけど一緒に食べる人とかその場の雰囲気は、もっと美味しさに影響する。歳を重ねるほどそう思う。
具が多すぎて汁が見えないスープと、大皿に盛られたおかずがテーブルを埋め尽くす。取り皿の置き場をなんとか確保しながら家族みんなで食べるのが当たり前だった昔。
就職して、ひとり暮らしを始めた。仕事終わり、自分だけのために大したものを作る気にもならず適当に準備したものを口に運ぶ。なんとなくでも一瞬は美味しそうだと思って買ったものでも、なんだか味気ない。
みんなで賑やかに食べていたあの頃が恋しくなる。母が料理に込めた愛情や、たわいない会話が美味しさをぐんと引き上げる。
そして結婚して、一緒に食事する相手ができた。昔の食卓風景とは違うけど、心地良く美味しい時間。今日職場でおもしろいことがあってねと私が話し、それをききながら旦那がこれ美味しいと言ってくれる。食後のアイスを、お互い一口ずつ交換しながら食べる。
たまに一人で食べる夕食は、奮発して好きなものばかり買って食べてもイマイチ美味しくない。
一人でカフェするときも、居心地が良くて人が少ない、静かな雰囲気だと食べたい気分なものじゃなくてもすごく美味しく感じたりする。
1日に数回やってくる美味しいチャンス。1回1回を大切に味わい、楽しみたい。
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