17歳のわたしがいた、鴻上さんの人生相談

TwitterのTLに流れてきた鴻上さんの人生相談を読んだらわたしのことかな?!って思うぐらいだったので、書き残しておこうと思う。
元記事はこちらです。
https://dot.asahi.com/dot/2018110500063.html

わたしもこのあさひちゃんと同じように高校2年生の時はいわゆる5人「グループ」にいた。お弁当を一緒に食べて、放課後にたまに遊んだりして。でもわたしが知らない間に4人で遊んでいることもあるみたいだった。
修学旅行がある2年生。部屋割りは4人部屋。何となくわたしは空気を読んで3人グループの子たちの部屋に入れてもらった(普通にこの3人グループの子ともよく喋ってたのでいいよーって入れてくれた)
ある日お弁当を食べた後に誰かが持ってきたファッション誌を読んでて「あ、これかわいい!見て見て!」ってある子が雑誌のあるページを指差した。その指差した先が洋服だったのか、靴だったのか、鞄だったのか、全然覚えてない。わたしは多分「あ、本当だーかわいいね」とかなんとか言ったんだと思う。そしたらその子は「え、絶対そう思ってないやん」とわたしに向かって言った。その言葉を言った子が4人のうちの誰かも覚えてないし、そもそもその場にはわたしを合わせて3人ぐらいしかいなかった気がする。でも確かにわたしはそう言われたのだ。まあ正直大してかわいいと思ってなかったのかもしれない。
それを言われた瞬間「あーもういいや」と思った。なぜわたしはこんなことを言われてまでこの子たちと一緒にいるんだろうと思った。遊びに誘われないのにハブられるわけじゃない。なんだその中途半端な感じ、と思った。この出来事があったのが3学期の終わり頃だったからわたしはその子たちとゆるゆると距離を取り始めた。同じクラスには他にもしゃべる子たちが何人かいたので別に苦痛に思うことはなかった。しゃべってくれる子たちにはその子たちのコミュニティがあったから「本当の友達」ではなかったと思うけど別にそれでよかった。
そのまま3年になってクラス替えがあった。同じグループだった子のうちのひとりは同じクラスになったけど、意識的に距離を取った。向こうも別のグループを作ったらしかった。3年になってから最初に話した子は1年の時に同じクラスだった子で、その子が2年の時に仲良かった子も交えて同じグループになった。その子たちが2年の時に同じグループだったという他のクラスになった子が教科書を借りに来た時に紹介してもらってしゃべるようになった。その子たちとは今でも付き合いが続いているし、結婚式にも呼んでもらって子供も抱っこさせてもらった。
高校生なんて中学生に比べて世界が広がるといっても、学校は1日のほとんどを過ごす場所で、10代にとっては生活のすべてが学校だと言っても過言じゃない。事実、わたしがそうだった。
この相談をしたあさひちゃんも同じようなもので、自分の居場所を必死で守っているんだろうなあと思う。わたしの中で高校の思い出は修学旅行なんかより3年の放課後に教室でダラダラ喋り続けて先生に早く帰れーって言われたこととか、休み時間に他のクラスでしゃべってたら予鈴がなって慌てて教室に走って戻ったこととかそんなことの方が多い。
あさひちゃんに「しんどいのは今だけだよ」と言っても通じないと思うし、この子にとっては「今」が一番重要なのもよくわかる。でも、鴻上さんの言う通り「ひとりでいることの惨めさ」と「友達のふりをする苦痛」を天秤にかけたらいいと思う。わたしが友達のふりをする苦痛を捨てた。そしたら結果的に友達ができた。そのままひとりだったらみじめになってしにたくなったかもしれない。でも友達ができた。
話を読む限りあさひちゃんはきっと優しい子だから、あさひちゃんの優しさに優しさを「おみやげ」で返してくれる友達ができるといいな、とあさひちゃんより少し長く生きてる人間は思う。わたしも仲良くしてくれる人たちがくれる「おみやげ」に「おみやげ」をきちんと返したいなあと思った人生相談だった。

#エッセイ #鴻上尚史