悪夢日記五

時折あれは夢かうつつか、とわからなくなる記憶がある。生々しい感情が脳にこびりついていて、現実か疑いたくなる
ただ、冷静に考えればこれが現実のはずがない、と思うような不快でわけのわからない事象。

公民館かどこかを稽古場として借りて、ワークショップか何かを行っている団体?にわたしも参加者としてそこにいた。
体育館みたいなつるつるの茶色い床だった気がする。

挨拶か何かを聞きながらふと白板の裏に貼ってあるポスターをみた。

フリー素材のようなイラストの女の人がぺこりとおじぎしている白黒の貼り紙。
「演劇なんかにばかりお金を使わず、私たち難病の人間にも寄付をしてお金を使ってください」というようなことが書かれている。
難病の人間のために寄付を募る団体の広告のようだ。

一瞬混乱した。そして、私だって病気なのに、と思った。(難病指定されていない難治性の病気だけど)
私だって自分のために金を使いたい、なんだってこんなこと言われなくちゃならないんだ、と腹も立った。

磁石で白板に貼られた無機質なそれを睨むようにみつめた。

たしかに演劇をやることはエゴでしかない。それで身体的に誰かを救えるわけじゃない。
でも私は持病を抱えつつも芝居をやることで心すこやかに痛みを軽減させて生きられているのに。
悲しさや憤りが渦巻いていた。

思考があまりにもリアルで、ふとこの夢を思い出した時、一瞬現実と勘違いしそうになった。



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