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London Day5

11月16日 London Day5
ロンドン到着5日目

会社に入ってから初めてとった長期休暇.
はじめに書いた通りのトラブル対応の部署だったので,こんなに長いこと休んだ人は史上初めてだっただろうけれど,それでももうちょっと居たかったなという気持ちになる.

空港のチェックインに間に合わないとシャレにならないので,
余裕を持って宿をでる.
どこの国でも空港は中心街からはちょっと離れたところにあって,
空港に向かう電車の車窓は,その国の原風景というか,観光地とはまた違った風景が楽しめるので好きだ.
帰国が近づいて名残惜しい気持ちも相まって,車窓の景色をぱしゃぱしゃと

ぱしゃ
ぱしゃ

ノスタルジックになりながらも空港に到着.
予定通り余裕を持って列に並ぶことができた.
チェックインを済ませたらご飯を食べてお土産を買って,
なんて考えていたら,耳の隙間から聞き慣れない言葉が聞こえてきた

「,,,日本人の方ですか?」

しばらく英語しか聴いていなかったので,
気づくのに時間がかかった.
さらに少し考えて,自分に話しかけられていたことに気づく.

派手な髪色をした青年が,遠くのチェックインカウンターからなにやら
困った顔でこちらをみている.

「チェックインさせてもらえないんです,,,!
助けてください,,,!」

なにがあったんだろうか,,,,

話を聞いてみると,帰国するために必要なワクチン接種証明の登録ができず,チェックインを断られていた.
たしか接種証明がなくても,2週間隔離はされても帰国はできるはず.
空港のスタッフさんに説明するも,

「接種証明がないと乗れないわよ.」

の一点張り.
青年の接種証明のログインページを見ても,期限が切れています,の表示で
接種証明の登録ができない.

んー,どうしたものか

一緒に乗り遅れるわけにもいかないのでとりあえず自分のチェックインを済ませ(薄情者とか言わないの),
一応そのスタッフさんにも,
接種証明ないと乗れないのか?
と聞いてみたけど
「だめよ.」
と冷たく一蹴されてしまった.

なかなか解決策が浮かばず,
異国の空港で途方にくれる二人の日本人
なかなか不思議な光景だったろうな.

スマホでうまくいかないので試しにiPadでやってみます!

と言ってiPadを取り出したので画面を覗き込むと,
直前に開かれていたWebページが表示される.

大学のポータルサイトだった.

あれ,,,,,どこかでみたことあるぞ?

「ちょっと待って,君,○大生?」

「え,そうです!」

,,,,,まさかの後輩だった.

大学トークでひとしきり盛り上がる
(そんなことしてる場合じゃない)

我に返ってもう一度登録を試みると,
いったん話が逸れたおかげで冷静になれたのか,
登録画面の違和感に気づくことができた.

「これ,帰国の便間違ってない,,,?」

帰国の経路はロンドン→ドバイ→成田
でドバイを経由するルートだったのだけれど,
接種証明を登録する際に帰国便を登録する必要があって,
ドバイ→成田の便を登録するはずが,
彼は間違えてロンドン→ドバイ便を登録していたのだ.

ロンドン→ドバイ便はもう搭乗間近だったので期限が過ぎており,
登録ができなかったというオチである.

便を登録し直すのに少し時間がかかるので,青年と少し話をした.
彼は大学院2年生で卒業を間近に控え,海外に一人旅に出たそう.
ヨーロッパを縦断してきたそうで,
このご時世にホステルで雑魚寝したり,
北欧で黒人に何度も追いかけられた話などを楽しそうに話していた.
(うちの大学,いかにもうちの大学っぽいなって人を"いか○"って呼んだり
するんだけど,なぜかそれを思い出した)

社会人になるとそんな旅もなかなかできないから,今のうちにいろんなこと
しなよ,と人生の先輩っぽい負け惜しみを言ってみる.

そんなこんなで思わぬ共通点に話が盛り上がっていると,
無事に登録完了の通知が届き,チェックインを通過することができた.
よかった.

そのまま搭乗まで彼と一緒に話しながら過ごしたけど,
あえて連絡先は聞かなかった.
彼のスマホで写真だけ撮って,それぞれの搭乗口から機内へ.
帰りの便は人もまばらだった.
窓際の席だったんだけど,隣は空席になっていて,
足を伸ばしてみたり,ゆっくりすることができた.

帰路の新幹線にて

帰国してスマホを開くと,会社の先輩から
おかえり!
と連絡が来ていた.

自分が休んでいる間,いろんな仕事を代わりにやってくれていた先輩.
感謝しかない.
やっぱ仕事の内容も大事だけど,一緒に働く人も大事だよね(小並感)

帰国してしまったなーって気持ちになりながら,
新幹線に乗ってさらに現実に引き戻された心地がした.

おしまい

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