見出し画像

10月28日 稲刈り

昨日は稲刈りでした。
手刈り少しと、ほとんどはコンバインで。

稲を刈る「ザクッ」という感触はなんとも言えない気持ちよさ。
稲刈りのときにいつも思い出すのは、小学生の頃の『田んぼの学校』という授業。
地域のおじいちゃんおばあちゃんに、田植えから米の収穫までを教えてもらいました。
今振り返ると、どのおじいちゃんもおばあちゃんも張り切っていました。本領発揮と言わんばかりに、やいやいと孫たちに世話を焼いていたように思います。

気づけばもう、20年近く前のこと。
あの頃元気だったおじいちゃんおばあちゃんは、いなくなったり、弱くなったり。
あの頃子どもだったわたしたちは、仕事をしたり、親になったり。

季節は何度も巡ったのに、地元からは遠く離れた場所なのに。
「ザクッ」。あの稲を刈る音を、感触を前にすると、小学生の頃に戻ってしまうのです。
手も身体も小さくなったような、今はいないおじいちゃんの声が聞こえるような、気がするのです。

きっとこの先何十年、いつの稲刈りでも思い出すのは、あの頃でしょう。
どうしようもなく懐かしく愛おしい、優しさに包まれて生きていた、あの頃。


✳︎
稲の香りを胸いっぱいに嗅ぎながら、幸せな記憶にたゆたう秋の午後でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?