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季節のたのしみ方が変わった話。

幼い頃、冬が大好きだった。
霜焼けも厭わずに、くる日もくる日も一日中、雪で遊んだ。雪だるまをつくり、かまくらを作り、自分でコースをつくってソリをして、雪に寝転がって雲を眺めた。雪かきでさえ、冬と戯れるあそびだった。

あの頃わたしは、自然というものを全身で感じていたように思う。

気づけば20代半ばになったが、相変わらず冬が大好きだ。
除雪されてない道を選んで踏むし、絶景ポイントを見つけるためには長靴に雪が入っても気にならない。雪の匂いを嗅ぎたくて、雪が生み出す無音を聴きたくて、外に出る。

今のわたしは、自然というものを意識的に五感のひとつひとつで、感じているように思う。

夢中になっていたあの頃と、堪能している今。
どちらのたのしみ方も、わたしの人生を豊かにしてくれている。


✳︎
今年、雪の影を初めて見つけた。霜に凍る草木を初めて見つけた。いつまでも新鮮な目で自然を映している瞳が、いとおしい。

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