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ステマ

あれは、2019年の秋でした。yahoo newsで、ある映画が「大人男子も号泣」「レ・ミゼラブルより泣ける。」と絶賛されています。私は、妹ちびすけに「絶対見に行ったほうがいい。」と電話し、友人にも「観なければ損をする。」と仕事を切り上げさせて、夜の商店街を「早く早く!」と急かして最終上映に駆け込みました。その映画は、『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』。心優しい友人は、映画が終わって一言「ステマだね。」と。

*ステマとは、ステルスマーケティング(stealth marketing)の略語で、消費者に宣伝広告であることを隠して行われるセールスプロモーション活動。

映画は悪くありません。1時間程度の子供向けの作品でした。映画館内で涙をこぼしていた人は、1人もいませんでした。どうしても「だまされた。」という気持ちが湧いてしまって、すみっコぐらしのメモ帳を引き出しにしまってしまいました。

映画と言えば、私の子供の頃、角川映画というのが大流行でした。中でも金田一耕助という私立探偵が出てくる横溝正史シリーズの映画のCMは、年がら年中流れていたような気がします。テレビCMはお金がかかっていましたが、今どきのステマはtwitterでお安くやられてしまうのですね・・・。地上波で放映された角川映画「犬神家の一族」などを大人になってから観ましたが、金田一耕助氏はいつも殺人事件が起こった後であたふたやって来るので、はたして「名探偵」と言えるのだろうか、と疑問に思っていました。wikipediaで調べてみると、金田一耕助氏は事件に乗り出してから次の犠牲者がでるのを防ぐ防御率の一番低い探偵ということになっているそうです。納得。

「情報に振り回されないように。」なんて言われても、根がおっちょこちょいなので、ぶんぶん振り回されます。でも、「これがステマか!」と身をもって知ることができて、面白かったです。妹ちびすけや友人たちを巻き込んでしまったのは大変申し訳ないし、こういうことを重ねると信用を失ってしまいますので、気を付けたいと思います。すみっコぐらしめ~。いや、すみっコぐらしに罪はないですね。あ!これは映画のプロモーションとしては成功だったかもしれませんが、すみっコぐらしファンを失う諸刃の剣だったのでは?!


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