ラブ・レター(2022-07-02)

正直、音楽座ミュージカルの感想は、いつも困る。

激推し俳優がいるとかじゃなく、原作がめちゃめちゃ好きで!!とかもない。

そういうのってわりと感想もシンプルになることが多くて、勢いでがー!!っと書けてしまう。それが良いかどうかはさておき、わりかし自分のスタイルに合ってると思うんよなー。

あんまり考察とか難しいことは考えず。シンプルに面白さを追求する感じ。素直に、「良かった!」「面白かった!」「また観たい!」みたいな、ストレートな感情を綴るのが、自分でも楽しかったりするんで。


……が。


なかなかどうして、音楽座ミュージカルはそう簡単には終わらせてくれへんのです。

楽すんなよ、って言われてる?w


前のなあ。
JUST CLIMAXもそうやってんよなー。

実は途中まで感想書いたやつ、置いてあるねん。けど、なんかこう、しっくりいく感じにならずに、結局お蔵入りに(そんな大層なもんちゃうけど)。

こう、さー。
なんていうか、感想の方向性が色々とありすぎて、まとまらんのよ。
(元々まとまってないという話はさておき)
語りたいことが多すぎるねんな。
あと、思い入れがありすぎるww

今年35周年って言ってるけど、よくよく思い返すと、私の音楽座歴だって30年近くあるわけですよ。
土居裕子さんがバリバリ大活躍の頃ですよ。
(もうしつこいくらい言ってるけど、私の最愛というかもうトップに君臨する女優さんは土居さんなんですよ。揺らがずに)
まだ学生やったし、大阪やったし、そんな回数観れてるわけちゃうけど。

まぎれもなく私をミュージカルの虜にしたのが音楽座なんですよ。
(きっかけは四季の夢から醒めた夢。あれは私の中で殿堂入り)
だからもう、感想書き出すと、単なる一作品の話に留まらなくなる可能性が高いw
(すでにそうなってる)


ああでも今回は書いとかなアカン気がするねん。ちゃんと言葉に残しとかなアカン気がすんねん。


だって、恐かった。

最初のみんなで自分の死因について語っていくシーン。
寝タバコとかヤ◯ザとかはエエねん。
何ていうか、ネタっぽいし、お芝居って割り切れるから。

でも、明らか911とかさ。
モロには言ってなくても分かるやつとか。
これって相当センシティブなとこやと思うんですよ。
部外者からしたら他とおんなじかもしらんけど、当事者からしたらトラウマ級の話題でしょ。
何軽々しく口にしてんねん、って炎上せえへんかなとか、お芝居と全然違うところでヒヤヒヤしながら観てた。

わたしは波風立てたくないタチやから。
はしっこのすみっこのかどっこで、静かにひっそり生きていたいから。
誰にも非難されずに(別に褒められなくてもいいから)何事もなく過ごしたいから。

自分のことじゃないのに、怖かった。

サトシのどうしようもないモヤモヤとか、出だしからもう幸せになる気配がなくて、わたしはまた、苦手なスッキリしない終わりの舞台を観に来てしまったんだろうか、と不安になった。

(ちなみにSUNDAYも苦手)
(あれはストーリーがスッキリしないのではなく、わたしがスッキリしない)
(自分が色々突きつけられて、この世で一番苦手な「過去を振り返る」というのを強制的にさせられるので辛い)
(エンタメとして楽しむ前に、現実を見る羽目になるのでちょっと無理)
(歌とか、ひとつひとつのシーンはめっちゃ好きやのにな!)
(己の未熟さが不甲斐ない)
(閑話休題)

JUST CLIMAXで初めて観たあのシーンからして、どう考えても両手上げてハッピー!にならないのは目に見えていて。
そしたらまさかのものすごい前半で、本人登場前から白蘭ちゃん(ちゃん付けして呼びたくなるねん、あの感じ)死んじゃってるし。

ぶっちゃけ、もうアカンと思ってた。


ら。


何やろね。

白蘭ちゃんが、「吾郎さん」って呼ぶ声。

あれ聞いただけで、泣いてしまった。
(今これ書いて思い出しながらまた泣いてる)

パッとね。

その場の空気が変わったんよ。

それまでの、吹き溜まりみたいな淀んだ空気が一瞬で消えて。

すっと、清浄な。
純粋な白蘭ちゃんの心の中を映したみたいな、透き通った空気に入れ替わった気がした。
大袈裟かもしらんけど、人のいない朝の神社とかに行ったときの、ちょっとひんやりした空気と近い感じ。

わたしは、都度都度聞こえる白蘭ちゃんのあの声と歌に、吾郎さんと一緒に癒やされてたんとちゃうかなあ、って思った。

いやホンマにね、だからワタシ的今回のMVPは岡崎かのんさんなのです。

思わず涙する純粋さをあんなふうに見せてくれるってすごいなあって。
もう、掛け値なしに心から拍手喝采です。

そうやって癒やされた状態で迎えたラストシーンは(途中すっ飛ばすんかいと言われそうですが、他はこのあといつものノリで)、サトシと一緒に、ああ、また明日から頑張って生きていこう、ってなるんです。

わたしの最初の不安はどっか行ってたんです。
素直に、今日この日にこの作品に出会わせてくれてありがとう、ってなりました。

JUST CLIMAX観たあのときに、「これ、本編観たい」と思った自分の直感最高やな、と心の底から思ったわけです。
(自画自賛)


やっぱり感想でもなんでもないやん、な結果になってるけど、それでいいです。
これはそれでいいんです。

ホンマ観て。
自分で観て。
わたしのしょっぼい感想とかどうでもええねん。秋にもっぺんやってくれるっていうから、観て。マジで。

と、力いっぱい叫ぶだけの文章でエエかなって思ってます。


思う存分主張したから、あとはいつものノリで行こー☆

今回の凄いなポイントはもう盛りだくさんやってんよ!
まずはアレよね、パッセンジャーの皆さんの衣装。
ちょっとドキドキ❤したww
でも、それぞれ個性的でめっちゃ素敵!
千葉のお店で働いてた4人組ダンサーさんも良かったな。

あと、井田安寿さんのお婆さんね!
あんな普段姿勢もキレイでお美しいのに、普通に立ってるだけでお婆さんやった。
わざとらしく腰曲げてるとかじゃないのにさ。
食堂でシャキシャキ働いてるわけやん?
そういう元気なお婆ちゃん感がめっちゃ出てて良かったー!

お婆ちゃんといえばやっぱり清田さんのイメージ強いんやけどw 
清田さんのママさん、凄味とほんの少し見える優しさ(吾郎さんに鞄渡しに来てくれるとことか)のバランスが好き。
踊れるお母さん、羨ましいw

ちなみにわたし、ホンマ人の顔と名前ちゃんと覚えられなくて申し訳ないんやけど、ママさんにくっついてたちょっとオネエ入ってたボーイさん(っていうん?)。
あの方好きです❤

あと、新木さんのヤ◯ザは最強に素晴らしいですね!
最高☆
そして踊ったらあんなにめちゃめちゃ魅力的な上田さんの情けない姿の対比がたまらんでした。

ダンスといえば、踊ってても親分(新木さん)、アニキ的存在(大須賀さん)、下っ端(小林さん)の立ち方一つで違い出すんだから、スゴイよねー。
役者さんはホンマすげー。


色々と言ってみたけど、結局いつものようにキャッキャするところもあって、ものすごく楽しい舞台でした!!

楽しいだけじゃないけど。
むしろずっと泣きっぱなしやったけどw
(あんなに途中で声我慢しながら舞台観たん久々やわ)

でも間違いなく観て良かった!!
出会えてよかった舞台でした!!

次もまた行くぞーー!!
(でも大阪もお願いします)
(神戸は嬉しいけど、平日はさすがに行かれへんのです)

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