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和食はいやだ その後

朝は特別措置でコーンフレークを食べているイギリス人のおじいちゃん。
とはいってもお昼と夜はガッツリ和食……がつらいと。
で、あれこれ考えて、施設と相談して、毎週日曜日はとりあえず、夕飯にこちらで好物を用意することになりました。

一般化はできないかもしれないけれど、
日本人ほど、毎日献立が変わることへのこだわりが少ないイギリス人なので、日曜日の夕飯は大好きなシェパーズパイって決まれば、それはそれで、毎週日曜日を楽しみにしてくれるんじゃないかということになり。

なにしろ、ン十年、日曜日の礼拝の後は、近所のイタリア料理屋でお昼を食べ続けていたおじいちゃん。しかもね、そのお昼が、おそらくン十年ラザニア一筋だった……のではないかと。座るとラザニアが出てくるくらいの勢いでしたから、お店。

あれこれ調べたけれど、どうも妥当なサイズのラザニアが見つかりません。
一食分には多すぎたり、少なかったり。そして、あまり大きい冷凍食品は、ホームの冷凍庫に入らないという別の問題もあり……。
調べに調べて、今日仕事の帰りに、表参道のピカールへ。
第一目標のラザニアは、ホームから言われたサイズの倍くらいだったので断念。第二目標のシェパーズパイだけゲット。
写真見ると、どうみてもシェパーズパイだけど、Hachisってなに?
アチって読むのかしらん? パルモンティエは? 
見ていると、だんだん不安になってきました。
似てるけど、味がかなり違ったりってこともあるかもしれないですよね。
フランスの料理とイギリスの料理だと、いろいろ違いそう。

だって、私、どっちのレストランがいいっていわれたら、
とりあえずフラレンチ選ぶもの。
私の舌にはフランス料理の方がおいしいから。
恐らく、バリバリのイギリス人のおじいちゃんとしては、
フランス料理とイギリス料理どっちが食べたいときいたら、
間違ってもフランス料理とはいわないでしょう、きっと。
それは味付けが違うからですよね。
なんかフランスの方がスパイスとかがはいっていそう。
イギリスの方がシンプルそう。塩味で。

でも、そこは食べてもらわないとなんともいえないので、
とりあえず、二つ買って(それがマックスと施設からお達し)
施設へ持って行きました。

Hさん、喜びますよ、たくさん食べてくれますかね。
とMさん。
口に合うといいんですけど、フランスの冷凍食品なんですよ。
といったら、彼女も一瞬、「あら? ダメかしら」
二人で不安になってしまって、
「とりあえず、本人には、フランスのものだっていわずに、
シェパーズパイよ〜って出してください。で、なんだかいつもの味と
違うといわれたら、考えます」
ということにしておいて帰ってきました。

バレるかなぁ、フランスのものだって……ドキドキ。

帰りに、ホームの近くのスーパーに寄ったら、ピカールのシェパーズパイがありました。
おじいちゃんが、フランスに気づかずに食べてくれたら、今後はここにスタッフさんに買いに来てもらえるとありがたいなぁ。


得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)