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まさかの展開

今日は、午前中、久しぶりに日本に戻ってきた友人と再会。
ウキウキワクワク。
ちょっとおしゃれして黒いワンピースでいこうかな、と一瞬思ったものの
いやいや、せっかくだから明るい洋服にしようと、
ペイズリーのセットアップを着て家を出た。

たっぷりしゃべって、じゃぁ、後日みんなでお昼ね、
と約束して、仕事仲間とのランチに向かう。
駅で待っていると、別の仕事仲間から
「転送する」という短いメール。

スクロールしていったら、
7〜8年仕事でご一緒してきた人がお嬢さんを抱っこしている笑顔の写真。
その下に書かれていたのは、彼の訃報だった。

半信半疑。
何が起きたのかよくわからないまま、
やってきた友人達と食事。

その途中で、「お通夜に行く?」という連絡が入る。
え? 
慌てて、時間と場所を確認すると、今いる場所から近い。
「行くなら私も行くわ」
と答え、バタバタと時間を決める。
家に帰って着替えるか……と思い巡らしていると
一緒に食事をしていた友人が、
近くで洋服買っていったら? 
ユニクロなら黒いの何かあるわよ。
と。

つきあってあげるよ
という友人の言葉に甘えて、洋服を見繕い、試着室で着替えて
斎場のある駅へ。

棺の中の彼は
文字通り眠っているようだった。
目を開けないのも不思議だったけれど、
声を発しないのが不思議だった。
もう、あなたの声が聞こえないんだ
と思った時、初めてことの重大さに気がついたというのか、
本当に逝ってしまったんだという現実に行き当たった。

一緒にいった仕事仲間は、ただただたたずんでいた。
彼に敬意を表したい
そう思ってきたんだ。
そう言って、立ち尽くしていた。

現場での思い出話をあれこれしながら駅に戻る。
プロ意識が強くて、気持ちのいい人だった。

電車に座ったら、力が抜けてしまった。
ウキウキ気分で始まった一日。
まさか喪服を着て帰宅するなんて想像もしなかった。
そんな一日。

安らかに。
天国で会いましょう。


得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)