石の……看板?
いつも通るお寺さんの入り口に、こんな石碑がたっています。
最初は、お寺の入り口にお墓かぁ。変なお寺って思っていたんです。
秦檍丸光生墓とあります。
自分のお墓、お寺の入り口に建てられて、この人、幸せなのかなぁ。
なんか、さらし者みたいだよねぇ。みんなと同じように墓地にあった方が
幸せだったりしないのかしら。
そんなことを考えながらここを通っていて、ある日気がついたんです。
その脇に、千代の富士像とあることに。
千代の富士って、有名なお相撲さんですよね。
その像……ってこんな立派な石碑がたっていたら、そのすぐ後ろに千代の富士の像が建っていそうなものですが、何もないんです。
石碑よく見ても、別に何か掘ってあるわけでもないし。
この黒い英語の看板の後ろにあるのかしら……って思って奥をのぞいてみたら、有るにはありました。
なんというか、ムンクのお友だちみたいなものが。
う〜ん。これはどうひいき目に見ても千代の富士像ではないよね。日出乾坤って書いてあるし。
ますますもって不可解な、変なお寺です。
と思っていたんですが、ある日ふと気がつきました。
これ、もしかしたら、看板?
本来だったら、後ろ黒い英語の説明みたいに、鉄板みたいなものに書くはずだったのかしら?
それを何かのはずみで、石で作っちゃった……そいうことでしょうか?
なんとも大仰な……。
そんなこと考えながら写真を撮り、改めて眺めて気がついた。
左の石の看板は秦檍丸光生墓ではなく秦檍丸先生墓、ですね。
秦檍丸先生のお墓がここにありますよっていいたかったのでしょうね。
実際にネット調べて見ると
東京で北海道を探す「蝦夷地探検家 秦檍丸 先生 墓」
なんていうブログが出てきます。
でもね〜。
お墓がここにあるよっていうお知らせなら、こんな墓碑みたいなもの建てなくても、とも思うし、何も石碑建てなくてもと思ったり。千代の富士もね。あいかわらず謎の看板(といえるのか)が多い谷中界隈です。
得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)