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数独のために! 白内障手術の顛末記

89になった母は、白内障が進みつつある。
日常生活はさして支障がないのだけれど、
大好きな、大好きな数独をするのに具合が悪いらしい。
で、どうしたもんだか、とここ数ヶ月悩んでいた。
これから先そんなに長生きするわけでもないのに……
なんてこともちらほら言ってみたりしていて。

でも、不都合があるなら、直して、気分よく暮らした方がいいわよ。
というと、
そうねぇ……と考える。
そんな数ヶ月だった。

余病もあるので、場合によっては手術ができないかもしれない。
と、あれこれ考えていたようだけれど、
まわりの人のすすめもあって、本日、白内障の手術で知られる先生を受診。
手術の日程を決めてきた、と連絡をくれた。

手術は片目ずつ、2日にわたって行われ、その間、数日通院もあり、
結局一週間毎日通院することになる……。
って、私達の年代だとなんともないようだけれど、
これ、結構一大事なんです。89にもなると。
まだ、杖もつかずに元気なのですが、元気な分、
「大丈夫よ」とついてくるなといわれるとどうしたもんだか。

でもまぁ、とりあえず、前向きに、身体のメンテをしようと思ってくれたのは
よいことだ。

ちなみに、母の数独熱はもう数年続いていて、
ちょうどいいレベルのものを探すと、熱中してやっている。
最近、母のお友だちが、やっぱり数独にはまり始めて、
「面白いものがある」と教えてくれたので、
「私ももう何年かやっているの、っていったのよ」
とうれしそうだった。

年齢があがっても、私のまわりには数独やクロスワードパズルを愛好する人が多い。
任意後見人をやっているイギリス人のおじいちゃんは、
ジャパンタイムスのクロスワードパズルが大好き。
パズルのために、ジャパンタイムスをとっているんじゃないかと思うほど。
でも、ジャパンタイムスのパズルは米語なので、英語とスペルが違ったり、
アメリカの映画にからむ出題が多くて「難しい」と渋い顔。
そこで、イギリスのクロスワードパズルを買って送ってみたりしている。

あと二人、ジャパンタイムスのクロスワードパズルが楽しみという人がいるけれど、
アメリカ人の彼女達も、最近の映画の出題についていけず、だんだん面白みがなくなってきたというので、「うちの母は数独やってるけど、数独はどうでしょ?」と聞いてみた。

ところが、二人とも、
「私は数字が苦手だからだめよ」と端から拒否。
このあたりの、私は数学が苦手、数字が苦手っていう感覚は、日米ともおばあちゃんたちに
共通していて面白い。
あんまり、男の人はなぜか「僕は数学は嫌いだから数独なんてやらない」
とは言わないんだなぁ、なぜか。

とはいえ、こういものを楽しもうっていう気持ちがあるのは何より。
そして、母に至っては数独のために、白内障の手術っていうのは、
とても前向きでよいことだ。
ちょっとは私も見習おう、と思った本日。


9月 19, 2020

#老後 #老後を楽しむ #白内障

得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)