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すみません・ごめんなさいよりありがとう♥️

先日やった家事講座で、0才ちゃんと一緒に受講してくれた女性が
家事は(パートナーと)分担するもの
だと思っていても、どこかで、ほんとは自分がするもの、という意識が
あるから、つい、やってもらうとごめんねと言ってしまう
と言っていた。

家事と育児は女の責任!
とすり込まれてきた日本の女性の多くは
パートナーに家事をしてもらうことに、どこか後ろめたさがある
というのか
申し訳ないという気持ちがきえないというのか。

それもあるけれど、そもそも、
日本語ってものすごく謝るようにできている。
駅で落とし物したときに
「落としましたよ!」
と教えてくれた人にも、「あ、すみません」なんていって拾っちゃうし、
約束に遅れたりしても、まずは「遅れてすみません」

まぁ、すみませんとこっちが謝ることで、
丸く収める、事を荒立てない文化でもある。
が。
しかし。
それやってると、子育て中はほんとに「すみません」
と言い続けることになる。
でも、すみませんって自分を相手より下に置く分
決して精神衛生上いい言葉ではない……と思うのだ。

だから、なるべく、家事や育児のシェアで使わないことは、
すごく大事だと思う。
そういうことで、本当は私の仕事なのに、申し訳ない感を
双方にすり込んでしまうから。

そこで。
「ありがとうって言ってね!」と言ってみた。
お皿洗ってくれたら、ごめんなさいではなくて、ありがと。
そういうと、「夫はありがとうなんていわないのに、
私だけ言うなんて」という人は必ずいるのだけれど、
気がついてるよん、というサインのつもりでアリガトウと
言ってみる。
そうすると、向こうも案外、「何言ってるんだよ」
とか
「いやいや。ふだんやってくれてるのそっちだし」みたいな
反応になったり……しないまでも、ごめんなさいといって
そうだよ、やってやったんだ、的な反応にはなりにくい。

英語だと、例えば遅れたときに
Sorry. I'm late.ということもできるけど、
Thank you for waiting.
という言い方をすることもできる。
前に、場所を間違えて友達を待たせたときに
Thank you for waiting.
といったら、
いや、来てくれてありがと! と言われてすごくうれしかったことがある。
一方で、遅れてSorry. I'm late.といったら
遅れて困るのはあなただから、私に謝らなくてもいいのよ
と言われたこともある。

友達が、「子育て中の職場の後輩に、
子育て中のすみませんの8割はありがとうに置き換えられると
伝えたことがある」と言っていた。
本当にそうだと思う。
何かやってもらったら、「ありがと」という一言で
あなたがやってくれたことに気がついてるよ
という事実をパスする。
と同時に、対等な関係を維持する。
本当は私の仕事なのにやらせてしまってすみません
ではなく
どっちからやらなくちゃならないこと、気がついてやってくれたんだね
ありがと
に。

なんだそんなこと。
そうなんだけど。
そんなことが、日常を変えていくと思うんだなぁ。

得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)