伝統技法を使って今の美しいを極限まで表現 蒔絵職人 十六代 小原治五右衛門さん

安土桃山時代から続く、蒔絵の職人さんにお会いしてきた
十六代 小原治五右衛門さん
目に宿る、気迫というか力強さに圧倒されそうになりながらお話を伺ってきた


代表作品 治五右衛門塗飾箱「曙光 - Python Ⅵ」

一子相伝というスタイルをとっている小原家
学問、技芸などの知識や知恵、技法といった奥義を自分の子どもの一人だけに教えることらしく、門外不出、秘伝の技術を一代一人しか知ることがない

十六代 小原治五右衛門さん


今は十六代目
過去にはお医者さんや天文学者の一面も持っていた先代がいたらしく、
当代もTEDxに出られたり、今までにない考え方で蒔絵を作り上げている
代々、革新し続けながら伝統と向き合っている

その姿勢が作品にも表れている
当代の作品ニーチェ「脱皮できない蛇は滅びる」
伝統においても、今見て美しいものを表現することを重んじている


「Python」シリーズ

日本では最初「気持ち悪い」と酷評され、公募展にて飾ることすら許されなかった作品である
しかし、なんとアメリカニューヨークのバカラホテルの関係者に評価され、スイートルームで飾られることになる
実は、その大きな窓から浴びた紫外線でできた柄がある
作品一つひとつに物語があり、ドラマがある


バカラホテル(テーブル上の左奥の黒い箱が当代作品)

そこから当代の躍進は更に加速する
アジアを代表する32人のうちの作家としてAsia Week New York、更にアメリカにある日本領事館、その後世界中で展示をされ、日本の”MAKIE”(蒔絵)として、多くの人の目に触れることになる

飾ることすら許してもらえなかったにも関わらず、
この「Python」(日本語:ニシキヘビ)シリーズの制作に更に精力的に取り組んだ
表現の幅を拡大し続けることを辞めない、
1つの作品を作るのに1年半くらいかかるものもある
長い時間と自らの持つ全てのエネルギーを注ぎ続けるその狂気的な情熱には、
16代受け継いできた魂とも言える「脱皮しない蛇は滅びる」という生き様が表れているようにも感じた

この話のコンテキストはここでもたっぷり当代が話してくれています
職人さんのお話をこんなにも、そして無料で聞けるの嬉しすぎる。。
「日本の美と技の未来」第14回シンポジウム ゲスト 小原治五右衛門さん

十六代 小原治五右衛門さん
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