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いつまで続けるのだろう

母から逃げる為引っ越した。

家族以外誰にも伝えていない場所で夫と2人で暮らして2カ月近く経った。

最初は違う家で暮らす事に抵抗があった。家賃を抑える為安アパートを借りたものだからお世辞にもきれいとは言えない部屋。トイレは業者が掃除しているであろうと思えない程拭けば拭くほどトイレシートが黄色くなる。

2階の人が歩けば自分の家にその人がいるんじゃ無いかと思うぐらいの振動と音。

ちょっとの風でも台風並みの揺れ。大きな地震が来たらこんなアパート潰れてしまうと思う。

それでも、家に関しての不満はあるけど、多少の不満よりずっと安心感を得た。

外出からの帰宅時、玄関で待ち伏せしてないか息を殺して忍足で確認する時、もちろん外出時も何度もドアの外に居ないか確認していた。

もう夜だから来ないだろうなんて常識はない。夜中でも来たのだから。大声で喚き散らしドアをガチャガチャやる。相手がいくら力のない老人でもこの恐怖は味わった人じゃなきゃわからない。

インターホンは電源を切り生活音が出ないように洗濯や掃除機もドアの外に居ないか確認してからやる。1ヶ月で限界だった。早急にアパートを借り自宅を残したまま引っ越した。市の職員にもNPOの世話をしてくれる人にもかかりつけ医にも私の今の居場所は伝えてない。

最近自分がテレビを見て笑っている事に気がついた。この芸人さんこんなに面白かった?今やっているドラマ楽しいね。そんな会話がやっと出るようになった。

でも。

時々だけど母を思い出す。

恐怖感じゃなく。

心配でもなく。


いつまでこんな事続けるのだろう。

ふと思う。

罪悪感とは違う。明らかに…。

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